研究課題/領域番号 |
20K05869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
廣津 直樹 東洋大学, 生命科学部, 教授 (40584389)
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研究分担者 |
加藤 悦子 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (00355752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イネ / 収量 / アンタゴニスト / リコンビナントタンパク質 / タンパク質結晶化 / X線結晶構造解析 / サーマルシフトアッセイ / インドール酢酸 / 基質認識 / 粒重 |
研究開始時の研究の概要 |
インドール酢酸(IAA)-グルコース加水分解活性をもつTGW6の機能喪失が、胚乳細胞数の増加や下位葉への糖の蓄積を通して圃場収量を増加させる。本研究課題では、TGW6の特異的阻害剤、すなわちTGW6の基質結合部位に結合し機能を阻害するアンタゴニストをTGW6立体構造情報をもとに探索し、候補化合物の評価をin vitroおよびin vivoで行う。これにより遺伝的制御を化学的制御に置き換えることが可能となれば、アンタゴニスト散布という汎用的な手法でイネの収量を制御させることが可能になると期待できる。
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研究成果の概要 |
THOUSAND-GRAIN WEIGHT 6 (TGW6) は遺伝的機能喪失によってイネの粒重を増加させることから、TGW6を特異的に阻害するアンタゴニストにより粒重を増加させることが期待される。本研究ではTGW6アンタゴニストの創薬に向けてリコンビナントTGW6を取得し、X線結晶構造解析によってTGW6の立体構造を明らかにした。さらに、サーマルシフト解析や19F NMR競合実験によりTGW6と相互作用する化合物のスクリーニングを行ない、複数の阻害剤候補を取得した。このうちいくつかの化合物は活性部位に結合することが示唆されたため、TGW6アンタゴニストの有効な候補化合物として期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲノム編集技術を用いてTGW6を改変したイネの栽培試験が行われているなど、TGW6は栽培品種の収量を向上させるために育種応用されはじめている。一方で、TGW6の遺伝的機能欠損を国内外の様々な品種へ導入するには膨大な時間と作業が必要となる。本研究で実施したタンパク質立体構造を基盤とした創薬によりTGW6阻害剤候補を取得できたことから、TGW6アンタゴニストの開発は大きく前進した。今後、より安定かつ効果の高い候補化合物の選抜と作物へ影響評価により、汎用的で簡便に収量を増加させることができるTGW6アンタゴニストの取得が期待される。
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