研究課題/領域番号 |
20K05878
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
松本 健司 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60288701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 難消化性糖質 / 水溶性食物繊維 / 腸 / IgA / T細胞 / 短鎖脂肪酸 / 腸管IgA / ヌードマウス |
研究開始時の研究の概要 |
腸内での資化性と腸管IgA誘導能が異なる3種類の難消化性糖質をサンプルとして、難消化性糖質による腸管IgA誘導のメカニズムおよび腸管IgA誘導における短鎖脂肪酸の役割を明らかにする。特にIgA誘導に重要な働きをしているT細胞の機能に着目し、同一系統であるBALB/cAマウス(正常マウス)とT細胞機能異常であるBALB/cAヌードマウスでの各サンプルによるIgA誘導の違いを検討する。
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研究成果の概要 |
難消化性糖質による腸管IgA産生誘導について短鎖脂肪酸やT細胞の関係性からメカニズムを明らかにするために、通常マウスとT細胞が欠損したヌードマウスを用いて3種類のサンプルの効果について比較した。その結果、以下のことが明らかになった。①多分岐構造を有する難消化性糖質は腸管IgA産生誘導能が高い。②腸管IgAの産生誘導には短鎖脂肪酸を介さない経路が存在する。③難消化性糖質による腸管IgA産生誘導はT細胞が存在しなくても起こるが、腸管以外の組織ではT細胞が必要。④腸管における短鎖脂肪酸産生は全身免疫に影響を与える。⑤難消化性糖質による腸管ムチン産生誘導には短鎖脂肪酸、IgA、T細胞は関係ない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では化学構造が類似したサンプルを含む3種類の難消化性糖質の腸管IgA産生誘導能について詳細に比較し、化学構造の類似性や腸内細菌による資化性の点(短鎖脂肪酸の増加の有無)から新しい知見を得た。特にT細胞を欠損しているヌードマウスを利用して難消化性糖質を9週間にわたり摂取させて評価した研究はこれまでに報告が無いことから学術的に重要な研究結果である。また、健康志向が世界中で広がる中、難消化性糖質は食物繊維素材として多くの商品が市場に出ている。今回の研究成果は数多くある食物繊維素材の中から消費者が自身に合う商品を選択することに役立つ結果であり、応用面からも重要である。
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