研究課題/領域番号 |
20K05896
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
小林 史幸 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 准教授 (50460001)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 殺菌 / 加圧二酸化炭素 / マイクロバブル / 低加圧二酸化炭素マイクロバブル / DNA / タンパク質 / 大腸菌 / 二酸化炭素マイクロバブル / 酵素タンパク質 / メタボローム / プロテオーム |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに研究代表者は加圧下で二酸化炭素をマイクロバブル化することで殺菌効果を高める方法(CO2MB)を考案し、CO2MBの殺菌メカニズムを解明するための研究を行ってきたが、殺菌の致命傷を明確にできていない。そこで、本研究ではCO2MBが微生物の細胞膜および細胞内に与える影響を検討し、CO2MBによる殺菌の致命傷および微生物の代謝変化を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
35℃での低加圧二酸化炭素マイクロバブル(CO2MB)により、Saccharoyces pastorianusは細胞膜疎水性度の上昇および細胞内pH・ミトコンドリア膜電位の低下を生じた。40℃以上でのCO2MBにより細胞膜流動性が変化し、核酸・タンパク質を漏出した。CO2MB処理により細胞内の可溶性タンパク質は不溶化し、そのなかの1つが解糖系酵素であるGAPDHであった。CO2MB処理により細胞内DNAのAP siteが増加したため、活性酸素の発生を示唆した。35℃および40℃でCO2MB処理したS. pastorianusの生存数は25℃での貯蔵中に徐々に増加した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低加圧二酸化炭素マイクロバブル(CO2MB)は、従来の加熱よりも低い温度帯または短時間で殺菌可能であるため、近年多様化した食品への適用も期待できる見込みのある殺菌技術であるが、その殺菌メカニズムがわかっていない。今回の研究において、CO2MBにより微生物細胞内で生じる様々な変化を明らかにし、特に変性したタンパク質の1つが解糖系酵素であったことを特定することができた。この結果は、世界中で行われている加圧CO2殺菌の研究において非常に重要な成果であり、他の殺菌技術の殺菌メカニズム解析にも役立つものである。
|