研究課題/領域番号 |
20K05921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
原 崇 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20323959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 乳酸菌 / 排便促進 / セロトニン / lactic acid bacteria / intestinal motility / serotonin / enterochromaffin cells |
研究開始時の研究の概要 |
乳酸菌は死菌であっても便通改善効果が確認されているが,その仕組みは不明である。本研究課題では,熱殺菌した乳酸菌死菌をマウスへ経口投与し,腸管セロトニン(5-HT)の働きを介して蠕動運動が活発になる可能性について検討する。この目的で,乳酸菌死菌が5-HTを産生する腸クロム親和性細胞の増加や機能亢進に影響を及ぼすか詳細に調べる。また,乳酸菌死菌の便通改善効果は腸内細菌叢の関与を必要とするか否か無菌マウスを活用して明らかにする。さらに,乳酸菌成分が腸管の免疫担当細胞に作用し,その応答が腸運動へ波及する可能性を探る目的で乳酸菌死菌による免疫学的マーカーの変動を追跡する。
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研究成果の概要 |
熱殺菌乳酸菌の便通改善効果において、腸管のセロトニン(5-HT)が寄与することを実証した。p-chlorphenylalanineにより腸管5-HT産生を遮断したマウスでは腸管における5-HT陽性細胞が減少し、腸管通過時間が顕著に延長した。これらは熱殺菌したLactobacillus casei subsp. casei 327(Lc327)の摂取により回復した。また、熱殺菌Lc327は便秘モデルマウスの便通を改善し、5-HT陽性細胞増加、TPH1発現増大、亢進したSERTおよびiNOSの低減、減少した酪酸レベルおよびカハール介在細胞の回復がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳酸菌は便通改善効果を示すことがよく知られているが、その作用機構はよくわかっていない。本研究において、乳酸菌死菌体の便通改善効果に腸管5-HTが関与することを腸管5-HT産生を遮断したマウスで実証した。乳酸菌死菌体は便秘モデルマウスに対しても便通改善作用を示し、大腸における5-HT陽性細胞の増加、5-HT再取り込みトランスポーターの抑制など、5-HTの働きが関わる証拠が得られると同時に腸管グリア細胞やカハール介在細胞など、腸運動の制御に重要な役割を果たす細胞に影響を及ぼす可能性が示された。
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