研究課題/領域番号 |
20K05924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山下 陽子 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (10543796)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 認知機能予防 / 黒大豆ポリフェノール / アントシアン / プロトカテク酸 / 抗肥満 / 抗糖尿病 / 抗炎症 / 黒大豆 / ポリフェノール / 認知機能 / プロシアニジン / 糖尿病性認知症 / 高血糖 / 肥満 / 腸脳相関 / 脳炎症 / ミクログリア / 食行動の乱れ / Glucagon peptid-1 / 体内時計 / 認知症 / GLP-1 / 生体時空間制御 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①糖尿病性認知症の発症機序解明について、サーカディアンリズム(時計遺伝子)の観点から解明する。また、②糖尿病性認知症の治療に有効な食品成分として、消化管ホルモンのGLP-1分泌促進効果を持つ化合物を候補物質にして、腸から脳へのアプローチから、そのクロストークの制御機構を解明する。これらの詳細を分子レベルで網羅的に解析し、糖尿病性認知症に寄与する食品成分の時空間的制御機構解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、糖尿病性認知症に対する予防効果を発揮する食品成分の探索とその作用機構解明を行なった。その結果、黒大豆種皮ポリフェノールは、認知機能低下を予防・改善させることが期待できる成分であることを見出した。その作用機構には、脳における抗炎症効果によってミクログリアやアストロサイトの活性化を予防し、アミロイドの蓄積を抑制することで神経炎症を抑制することが関与していることが分かった。また、黒大豆種皮ポリフェノール中の化合物のうち、アントシアンとその代謝物であるプロトカテク酸がミクログリアにおける炎症抑制に高い効果を示していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、認知機能低下に黒大豆種皮ポリフェノールが予防・改善する効果を持つことを明らかにしたものである。得られた成果は、未だ、十分な治療薬も開発されていない認知機能低下に対して、食経験の長い伝統的な日本の食材である黒大豆が予防だけでなく改善効果を持つということを発見したものであり、現代の日本の抱える健康課題の上位を占める疾病予防に貢献できるという意味で、社会的意義の高い成果であると考えている。また、認知症の病態マーカーであるアミロイドの蓄積を炎症予防というアプローチから切り込んだというメカニズムの解明は学術的にも意義がある。
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