研究課題/領域番号 |
20K05927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
光武 進 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10344475)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GPR120 / GLP-1 / phytosphingosine / teadenol A / isofloridoside / incretin / FFAR4 / phytosphingosie / teadenol / T1R2/T1R3 / インクレチン / sphingomyelin |
研究開始時の研究の概要 |
長鎖脂肪酸受容体GPR120は、小腸上皮内分泌L細胞に発現し、その活性化は消化管ホルモンであるインクレチンGLP-1の分泌を促進させます。GLP-1は、インスリンの分泌促進、食欲抑制等に働くことが知られ、2型糖尿病の改善/予防に有効である事が知られています。私は近年、酵母の細胞膜に含まれるスフィンゴ脂質の一つphytosphingosine(PHS)が、GPR120を活性化する事を見出しました。私は本研究で、PHSや他の食品成分によるGPR120の活性制御機構を詳細に解析し、「非栄養性食品分子のGPR120を介した新しい食品機能」を確立したいと考えています。
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研究成果の概要 |
私は近年、酵母の細胞膜に含まれるスフィンゴ脂質の一つphytosphingosine(PHS)がGPR120の新規リガンドとなりインクレチンの一つGLP-1の分泌を誘導する事を見出した。GLP-1は抗糖尿病/抗肥満症を誘導する事が知られ、PHSは非栄養的にGLP-1の分泌を促す興味深い分子であった。私は食品中にはまだまだこの様な分子が存在すると考え、本研究課題では、新たに、微生物発酵茶中のteadenol Aや海苔中のisofloridosideがGPR120のリガンドなる事を見出した。さらに、PHSが他のリガンドと異なる領域でGPR120と結合する事も明らかにした
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インクレチンの一つGLP-1は、インスリンの分泌や食欲の抑制を介して抗メタボリック症候群に働き、2型糖尿病の創薬ターゲットとして注目を集めている。私は本研究でPHS以外にも、teadenol Aとisofloridosideが小腸内分泌細胞からGLP-1の分泌を誘導する事を明らかにした。GLP-1やインクレチンシグナリングは、元来、エネルギーの過剰摂取を防ぐためのフィードバックシステムであるが、私が見出した3つの分子は、何も非栄養的にこのシステムを活性化させる。私の発見は、食品中の非栄養分子の新たな食品機能の存在を示唆しており大変興味深い。
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