研究課題/領域番号 |
20K05954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 翌手可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (30588017)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タンパク質合成 / tRNA / 遺伝子発現 / 翻訳 / 遺伝暗号解読 / コドン / リボソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞内でタンパク質合成中のペプチジルtRNAを直接的に解析することによって翻訳中のtRNA情報を獲得し、どのtRNAがmRNAのどの領域を読んでいるかを知ることで、tRNA使用頻度がタンパク質合成にどのような影響を与えているのかを明らかにする。まずは、翻訳中ペプチジルtRNAの解析系の確立を行い、その後、レポーター遺伝子発現系を用いて、検証するコドンや塩基配列について体系的にtRNA使用頻度を測定する計画である。顕著な傾向があったものはゲノム上に組み入れ、翻訳量や翻訳速度、フォールディングへの影響を調べ、tRNA使用頻度が関わる翻訳制御機構の探索・検証を行っていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、タンパク質合成の際、複数のtRNAによって翻訳されるコドンがどのような割合でそれぞれのアイソデコーダーtRNAによって解読されているのか、つまりそのtRNA使用頻度について理解するために、細胞内または無細胞翻訳系の翻訳伸長中のペプチジルtRNAの解析方法を確立し、その測定を行った。その結果、tRNA使用頻度は tRNAプール存在比とは異なり、コドン種によって様々であることが判明し、tRNA使用頻度に基づいた翻訳調節機構を示唆することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、細胞内のtRNAのバランスが翻訳効率や速度に関わっており、最終的なタンパク質の産生量やフォールディングに影響を及ぼすことが分かってきた。しかし、これまで各tRNAがコドンを読む実際の頻度などについては調べられていない。このような状況で、本研究によって構築された翻訳中ペプチジルtRNAの解析方法や、得られたtRNA頻度の実態は上述のメカニズムの理解に貢献するものであり、その成果はこれからのタンパク質合成研究において新たな方法論と知見を提供するものであると考えている。また、今回の成果は、tRNA修飾の役割や遺伝子構築の進化を理解する研究においても今後展開が期待できるものである。
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