研究課題/領域番号 |
20K05961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 (2022) 秋田県立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
クロフツ 尚子 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30583330)
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研究分担者 |
森田 隆太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30866075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イネ / 葉鞘 / 澱粉 / 枝作り酵素 / アミロペクチン / アミロース / 枝切り酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イネBE欠失変異体の花粉・葉身・葉鞘の澱粉構造と特性および植物体の生育の詳細を明らかにする。具体的には、花粉・葉身・葉鞘のアミロペクチンの鎖長構造・アミロース含量・難消化性 澱粉含量・澱粉粒の形態および植物体の生育や光合成の詳細を明確にする。特定のBEが欠失すると、他の酵素がどのように相補するのか。それにより、どのような構造の澱粉を蓄積し、植物体にどのような影響を与えるか明確にする。
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研究成果の概要 |
本研究ではイネ澱粉枝作り酵素(BE)欠損変異体の花粉や葉鞘の澱粉構造および植物体の生育を詳細に分析した。精製澱粉を用いてキャピラリー電気泳動法を行ったところ、be2aとbe1 be2aは野生型よりもDP 6-15のアミロペクチン短鎖が減少した。また、葉鞘澱粉のアミロース含量は、野生型が22%であったのに対し、be2aは37%、be1 be2aは30%といずれもアミロース含量が大幅に増加した。一方、be1 be2bの葉鞘澱粉の構造は野生型と同様であり、アミロース含量は15%と低アミロースであった。以上より、葉鞘澱粉の合成にはBEIIaが重要な働きをすることが明確になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イネの胚乳においてBEIIbが重要な働きをし、BEIIbが欠失すると胚乳のアミロース含量と難消化性澱粉含量が増加することは知られていた。しかし、BEアイソザイムの欠失が胚乳以外の組織の澱粉構造や特性にどのような影響を与えるかは、これまで検証されていなかった。栄養組織でいかに澱粉を合成・蓄積するかを解明できると、収量の改善や稲わらの飼料への利用などにつながる。本研究の結果から、3種類のBEアイソザイムのなかでもBEIIaが欠失すると、葉鞘のアミロペクチンの短鎖が激減し、アミロース含量が増加することが明らかになり、BEIIaが葉鞘澱粉の生合成に重要な働きをすることが明確になった。
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