研究課題/領域番号 |
20K05983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 裕之 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70283976)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | コムギ / 野生種 / 高温ストレス / 小麦粉品質 / 種子貯蔵タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
高温ストレス下で栽培されたコムギは、種子貯蔵タンパク質(Seed Storage Proteins, SSPs)が主要成分であるグルテンの弾力性が低下し小麦粉品質が低下する。申請者らは野生種に由来する高弾力性SSPs遺伝子を発見し、この遺伝子が座乗する1対の染色体を弾力性が低い麺用コムギに導入して、弾力性の高いパン用コムギを開発した。本研究ではこの遺伝子と僅かな周辺を含む染色体の微小領域をコムギへ導入し、高温ストレス下でも小麦粉品質が低下しないコムギの開発とそのメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
高温ストレス下で栽培されたコムギは、小麦粉生地の弾力性が低下し小麦粉品質が低下する。本研究の目的は、高温ストレス下でも小麦粉品質が低下しないコムギの開発とそのメカニズムを解明することである。 スーダンの高温地帯で栽培されている複数のコムギ実用品種の中から、高温ストレス下であっても弾力性に貢献するタンパク質の発現量変動が小さく、通常条件下の場合とほぼ同程度である品種を選抜できた。また、野生種由来の高弾力性をもたらす遺伝子をコムギへ導入できた。さらに、高温ストレス下でも種子形態を維持でき、小麦粉品質への影響が大きいデンプンの量や組成が変動しない系統を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで世界には、高温ストレス下でも栽培できるコムギ品種の報告はあり、私たちも高温ストレス下でも収量の減少が僅かなコムギを育成した。しかし、通常条件下と同等の収量を維持しながら高品質な小麦粉を作れる品種は現在まで皆無である。本研究で育成したコムギは、野生種に由来する遺伝子・染色体をもち、高温ストレス下で栽培された場合でも小麦粉生地の弾力性は低下せず、種子形態やデンプンの量・組成を維持できる。また本研究では人工交配によって遺伝子を導入したので、開発した育種素材は遺伝子組換え植物ではない。従って世界中で広く育種素材として利用できる。
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