研究課題/領域番号 |
20K06018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
古藤田 信博 佐賀大学, 農学部, 教授 (50355426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | カンキツ / 花成誘導 / ジベレリン / 糖 / RNAseq / アミノ酸 / 花芽形成 / 隔年結果 / MFT / 代謝物 / 花芽形成抑制 / ウンシュウミカン / 果樹 / 植物ホルモン / 花成シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
カンキツは世界で最も重要な果樹作物の1つである。カンキツ類は他の果樹類と同様に隔年結果性の性質があり、表年では市場への供給が過剰となり価格が低下、裏年ではその逆の現象が起きる。隔年結果のような、生産者にとって好ましくない開花特性は、開花を抑制したり促進したりすることにより部分的に緩和することができる。しかしながら隔年結果性の詳しい分子メカニズムは分かっていない。そこで本研究では、カンキツの花芽形成とジベレリンおよび糖との関係を明らかにし、カンキツの花成誘導メカニズム解明、ひいては将来的にカンキツの安定生産に寄与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
GAを散布した区画に翌春の着花数減少が確認でき、以前の報告結果を支持する結果となった。一方で新葉数が増加傾向にあったことから、GA散布によって樹勢の低下が緩和されたことが示唆される。アミノ酸・糖に関しては有意な差が出てこなかった。今後反復数を増やして分析する必要がある。RNAseqによる遺伝子発現解析では、発現が上昇した遺伝子の中にはPEBPファミリータンパク質をコードする遺伝子や植物ホルモン応答性遺伝子等が確認された。一方、発現が減少していた遺伝子の中には糖の代謝関連酵素遺伝子等が確認された。これらの遺伝子がGAに応答して花芽抑制に関与した可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
果樹類の着果負担に対する花芽形成の反応は、果実形成による炭素源の減少や成熟果実に由来するジベレリン(GA)等のシグナル物質の放出に帰すると考えられているが詳しい分子メカニズムは分かっていない。本研究では、GAによる花成抑制効果を確認した上で、枝中における遊離糖や遊離アミノ酸の変動を調査したが有意差は見られなかった。しかし、遺伝子発現解析により、GA散布によりPEBPに属する遺伝子の発現上昇や糖関連遺伝子の発現低下が確認された。これらの結果はカンキツの花芽形成とジベレリンおよび糖との関係を明らかにする上で今後有用な情報となると思われる。
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