研究課題/領域番号 |
20K06021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
吉田 康徳 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (40291851)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | イチゴ / 休眠 / 低温遭遇量 / 花芽分化 / 日長 / 植物成長調整物質 / 休眠制御 / 部位別温度処理 / ジベレリン / 収量 / 葉柄長 / 休眠覚醒 / 日長反応消失機構 |
研究開始時の研究の概要 |
イチゴの花成は,低温・短日で起こるが,休眠状態が花成に作用するため単純ではない.特に,休眠覚醒後の花成の日長反応消失機構は,2ヶ月程度も継続するメカニズムは長年の謎であった.その鍵となる生理機構は『休眠』である.休眠状態は低温遭遇量で制御され,イチゴの場合,茎頂が含まれるクラウン部のみが低温を感応するとされ,それ以外の部位(葉と根)での感応は見落とされてきた.そこで、第一に,部位別に異なる休眠状態の個体を作出し,成長動態を解析する.第二に,休眠状態が異なる部位を互いに接ぎ木したキメラ個体を作出し,成長動態を解析する.第三に,これらの成長動態の解析から休眠に関連する植物ホルモン消長を解析する.
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研究成果の概要 |
イチゴでは,休眠覚醒後に花成の日長反応消失のメカニズムを明らかにするため,休眠に関係する低温遭遇量を部位別の温度処理によって,葉,クラウンおよび根それぞれを異なる低温遭遇量にすることで,低温の感応部位,相互作用を明らかにした結果,感応部位はクラウンであることを確定させ,相互作用は,加温に関して,葉≒根>クラウンであったが,冷却に関しては,葉≒クラウン>根であることを明らかにした.また,休眠に関連する植物成長調整物質処理した結果,ジベレリンでは,休眠打破したが,花芽分化を抑制し,その生合成阻害剤のビビフル処理は休眠打破を抑制する傾向が認められ,花芽分化を促進する傾向が認められた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イチゴの低温感応部位に関しては,クラウン部と考えられていたが,明確にそれを示すデータは少なかった.本研究の結果から,クラウン部であるこを明らかにした.また,イチゴの栽培では,休眠覚醒後の日長不感応期間は,寒冷地のイチゴ栽培では,大きな課題であったが,今回の成果は,クラウン部のみを加温することで,半休眠を維持することで,この課題を回避できる可能性を示すものである.そのため,これまで栽培できないとされた休眠覚醒に対する低温要求量の少ない品種でも,局所的な加温をクラウン部に実施することで,省コストで栽培できる可能性を示唆した.この結果は,寒冷地での新たな作型開発に貢献するものと考えている.
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