研究課題/領域番号 |
20K06045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 杉尋 東北大学, 農学研究科, 准教授 (10442831)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 植物免疫 / 病害抵抗性 / プライミング / エピジェネティクス / クロマチン / 転写因子 / サイレンシング / ウイルス抵抗性 / RNAサイレンシング / クロマチン構造 / 転写制御 |
研究開始時の研究の概要 |
シロイヌナズナのウイルス抵抗性に関与するサイレンシング関連因子AGO2の遺伝子発現は抵抗性誘導剤BTH処理によりプライミングされる。このプライミング機構を明らかにするため、ヒストン修飾変動が確認されているAGO2プロモーター領域に結合する転写因子を同定し、その結合性、機能性およびCMV抵抗性への関与をゲルシフトアッセイ、免疫沈降、変異体・過剰発現体を用いて詳細に解析する。本研究は、植物の遺伝子発現のプライミング機構について、具体的な転写因子とプロモーターのシス因子およびクロマチン構造変化の関係を詳細に明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
シロイヌナズナのRNAサイレンシング関連因子AGO2のBTHによるプライミング機構を明らかにするため、プライミング時にヒストン修飾が変化するAGO2プロモーター領域に結合する転写因子の探索を行ったところ、WRKY25とAtHMGB9が候補として単離された。WRKY25遺伝子はBTH処理によってプライミングされ、変異体ではAGO2のプライミングとキュウリモザイクウイルス(CMV)抵抗性が増強された。反対に、AtHMGB9はBTH処理で発現が減少し、変異体ではAGO2のプライミングとCMV抵抗性が減衰した。本研究によりAGO2遺伝子のプライミングを正と負に制御する転写因子の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エピジェネティックな遺伝子発現制御の理解は生物の遺伝子発現制御を理解する上で非常に重要である。ヒストン修飾やDNAのメチル化がエピジェネティックな遺伝子発現制御に重要な役割をもつことは知られているが、個々の遺伝子の発現制御に関わる転写因子との相関性については不明な点が多いのが現状といえる。本研究はAGO2遺伝子のプライミング現象に着目し、プライミング誘導時にヒストン修飾が変化するプロモーター領域に結合する転写因子としてWRKY25とAtHMBG9を同定し、それぞれプライミングを負と正に制御する可能性を示唆した。ヒストン修飾変化と転写因子の関連を解析するツールとして本研究の成果は意義がある。
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