研究課題/領域番号 |
20K06058
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
出崎 能丈 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 助教 (80711647)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | HAMP / エリシター / ナミハダニ / 植物免疫 / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、植物の防御応答を誘導する害虫分子パターン(HAMP)が複数同定され、害虫応答と病害応答の類似性が示唆されている。しかし、植物の害虫抵抗性には病害抵抗性とは異なる点も存在しており、農作物の食害や病原菌媒介を引き起こす害虫に由来するHAMPの認識系の理解は害虫制御技術開発の基盤として重要である。我々は微生物分子パターンとその植物受容体の同定、シグナル伝達機構の解析を進めてきた。さらに吸汁性害虫ナミハダニ由来のタンパク質テトラニンをHAMPとして同定した。本研究では、申請者のMAMP認識機構に関する研究を基に、HAMPであるテトラニンの受容体およびシグナル伝達活性化機構を明らかとする。
|
研究成果の概要 |
ナミハダニ由来のHAMPであるテトラニンは、植物の細胞膜上の受容体で認識されることで防御応答を誘導すると考えられる。本研究では、既に同定したら2つのテトラニンに加え、新規に2つの異なるテトラニンを同定し、既知のものを含め4つが異なる活性を持つことを示した。加えてナミハダニの異なる宿主植物ではテトラニンの防御応答誘導能が異なること、ナミハダニの宿主適応の過程でナミハダニの発現量が調整されていることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既知の2つのテトラニンだけでは、ナミハダニが誘導する防御応答が完全に模倣できていなかった。その中で新規に2つのテトラニンを示し、これらがそれぞれ異なる防御応答誘導能を持つことが示され、実際の加害現場では複数のHAMPが協調的に機能していることが示された。これまでの微生物由来MAMPの研究でも複数のMAMPの同時認識に関する知見は無く、実際の加害の現象を理解する上で重要な知見となった。加えてナミハダニの宿主適応にHAMPの発現量の変化があることは、逆に言えば、HAMPによって誘導される防御応答がナミハダニにとって乗り越えるべき障壁であることが示され、本系の応用利用価値を示すことができた。
|