研究課題/領域番号 |
20K06059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
浴野 圭輔 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30310030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Bacillus thuringiensis / 植物病原菌 / そうか病 / 抗菌タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
作物栽培において、病害虫や雑草は大変な脅威であり、その問題解決のひとつが遺伝子組み換え作物である。微生物は地球上の至るところに生育し、その種類は非常に多様である。また、現在まで微生物由来の抗菌物質が数多く実用化されている。つまり微生物は抗菌物質生産の多様な遺伝子資源として極めて有望と言える。遺伝子組換え作物創出のためのツールとして我々は、植物病原菌に有効な抗菌タンパク質を微生物より見出した。これは、数多く報告がある二次代謝産物とは異なる新規機能性タンパク質であることが予想され、新たな抗菌作用機構の発見も期待できる。また、構造遺伝子は、抗菌活性を付与した遺伝子組み換え作物の作出にも利用できる。
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研究成果の概要 |
植物病原菌の防除を目的に分離したBacillus thuringiensisのうち、 A297株はジャガイモそうか病菌に対して抗菌活性を示す。本菌株が生産する抗菌タンパク質を精製した結果、2種類の抗菌タンパク質を産生していることが明らかとなった。これら抗菌タンパク質はこれまでに機能が解明されているタンパク質との相同性はなく、新規な機能性タンパク質であることが明らかとなった。膜損傷の有無を指標とした蛍光染色により抗菌タンパク質の作用機構を解析した。顕微鏡観察の結果、本研究課題で単離した抗菌タンパク質はジャガイモそうか病菌の細胞膜を損傷し、生育を阻害していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物病原菌の微生物防除を目的に、ジャガイモそうか病の病原菌に対して抗菌活性を示す微生物を分離した。この微生物が生産する2種類の抗菌タンパク質が、ジャガイモそうか病菌の生育を阻害することが明らかとなった。また、今回発見した抗菌タンパク質はこれまで知られていない新規なタンパク質であり、その作用機構はジャガイモそうか病菌の細胞膜の損傷であることが示唆された。微生物による植物病の防除は、化学農薬の低減に寄与し、環境への負荷を減らすことができる。
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