研究課題/領域番号 |
20K06061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
長坂 幸吉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 研究領域長 (50355137)
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研究分担者 |
光永 貴之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, 上級研究員 (50569506)
有本 誠 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, 主任研究員 (40803862)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 二次寄生蜂 / バンカー法 / アブラムシ / アブラバチ / 天敵利用 / IPM / 一次寄生蜂 / 寄主適合性 / 寄生回避 |
研究開始時の研究の概要 |
天敵アブラバチ類(一次寄生蜂)を用いたバンカー法では、一次寄生蜂に寄生する蜂(二次寄生蜂)の発生により、害虫アブラムシ類への防除効果が低下する。この問題の解決のためには、二次寄生蜂がアブラムシ体内の一次寄生蜂を発見し寄生に至る過程から寄生回避策を検討する必要がある。本研究では、生息場所選択、アブラムシ選択、アブラムシ体内の寄主選択、寄主適合性などについての適否を、種間比較を通して明らかにする。
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研究実績の概要 |
1)主要一次寄生蜂5種(コレマンアブラバチ、ギフアブラバチ、ダイコンアブラバチ、ニホンアブラバチ、ナケルクロアブラバチ)に対する外部寄生性二次寄生蜂Pachineuron aphidisの寄主適合性を実験室内で調査した。その際、一次寄生蜂の寄主となるアブラムシ種の影響を考慮するために、寄主が害虫アブラムシ(モモアカアブラムシ、ニホンアブラバチのみワタアブラムシ)の場合とバンカー法で想定される代替寄主アブラムシ(トウモロコシアブラムシ、ニホンアブラバチのみヒエノアブラムシ)の場合の両方について調べた。その結果、寄主アブラムシの影響は確認されなかった。二次寄生蜂P. aphidisは全ての一次寄生蜂に寄生可能であったが、その日当たり寄生率は一次寄生蜂の種類によって大きく異なった。具体的にはナケルクロアブラバチでは1日あたり10頭程度の寄主に寄生したが、コレマンアブラバチやギフアブラバチにはその半分ほどの寄生率を示した。また、ダイコンアブラバチ、ニホンアブラバチにはその中間程度の寄生率であった。 2) 外部寄生性二次寄生蜂P. aphidisについて、コレマンアブラバチおよびナケルクロアブラバチに対する寄生行動を観察した。その結果、P. aphidisはナケルクロアブラバチに出会った時にはほぼ寄主として認識し、寄生行動を示すのに対して、コレマンアブラバチに出会った際には寄主として認識しない場合が多く見られた。このことから、寄生率の違いはP. aphidisの寄主探索能力によるものであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電力料金の大幅な値上げにより、当研究所では夏季の節電対策が実施され、ほとんどの恒温室等の実験設備を停止せざるを得なかった。加えて植物及び昆虫の飼育を担当していた実験補助員が急病により退職し、その後任を応募したものの雇用することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の積み残しである2種の一次寄生蜂が同所的に存在する場合の二次寄生蜂の選好性については、研究期間を延長して実行する。特に夏季の節電は本年度も続くと予想されるため、実験を春季及び秋季に集中して行えるように準備する。
次年度の計画: 2種の一次寄生蜂(コレマンアブラバチとナケルクロアブラバチ)が同所的に存在する場合の二次寄生蜂の選好性について検討を行う。具体的には、R3年度に確認した種構成だけではなく、それぞれの一次寄生蜂個体群からの二次寄生蜂の発生個体数の違いについても検討を行う。
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