研究課題/領域番号 |
20K06070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
藤井 毅 摂南大学, 農学部, 講師 (30730626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 性フェロモン生合成 / 脂質代謝 / ガ類性フェロモン交信系 / 油滴 / フェロモン生産量 / 必須脂肪酸 / フェロモン分泌量比 / フェロモン生合成 / ガ類性フェロモン生合成系 / 長鎖脂肪族 / フェロモン腺 / 性フェロモン / アメリカシロヒトリ / 脂質代謝経路 |
研究開始時の研究の概要 |
ガのメス性フェロモン成分の量比は、オスが同種メスの発信した性フェロモンであることを識別し交尾するための重要な化学信号である。ガの性フェロモン生合成経路には、アセチルCoAを原料とする経路Aと必須脂肪酸を原料とする経路Bが存在する。 本課題では必須脂肪酸のガ類性フェロモン生産系への影響を調査するために、経路Aと経路Bで性フェロモンを生合成するアワノメイガ類とアメリカシロヒトリの幼虫に人為的に必須脂肪酸を与え、メス成虫のフェロモン腺に含まれる性フェロモン成分の量比を対照区と比較する。必須脂肪酸の影響でメスの性フェロモン量比が変化した際は、オスに対して誘引活性を示すか配偶行動を観察し確かめる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、クワと単位重量当たりに含まれる脂肪酸量がクワの約10倍多い人工飼料で飼育したカイコガとアメリカシロヒトリの性フェロモン生産量を食餌間で比較し、(1)両種とも性フェロモン生産量は人工飼料育が桑葉育と比べて2-3倍にとどまり上限があること、(2)カイコガのフェロモン腺中に見られる油滴がフェロモン原料となる脂肪酸量の調整に関与する可能性が高いこと、(3)アメリカシロヒトリのフェロモン成分の一つであるリノール酸由来のアルデヒド成分は、人工飼料を与えた個体と比較してクワを与えた個体ではほとんど生産されないこと、の3点を明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、カイコガではフェロモン腺の油滴が性フェロモンの前駆体となる脂肪酸量を制御している可能性を見出した。また、顕微鏡観察の結果より、この油滴は小胞体から出芽していることが分かった。もしそうだとすると、フェロモン腺内の油滴の形成過程は菌類や植物類や哺乳類と共通性が高いこととなる。また、哺乳類と同様に、特定の必須脂肪酸のみを過剰に摂取した幼虫は致死となることが実験の過程で分かった。本成果より、ガの性フェロモン生合成系で得た油滴とその周辺の生化学的な知見は、生物分類群を超えて広く共有できることが期待できる。
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