研究課題/領域番号 |
20K06085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
糸川 健太郎 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (70769992)
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研究分担者 |
駒形 修 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20435712)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 蚊 / 性決定 / 昆虫 / 遺伝子 / 次世代シーケンシング / ゲノム編集 / 衛生昆虫 / 遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではフィラリア症やウエストナイル熱の媒介者であるイエカ(Culex)属の蚊における性決定遺伝子(M因子)を、次世代シーケンサーやゲノム編集法などの最新の技術を用いて特定することを目的とする。イエカ属に存在するM因子はこれまでに見つかっている性決定遺伝子の単なるホモログではなく、イエカ属独自に進化・獲得した遺伝子である可能性が高い。昆虫の性決定機構に関する知見は、不妊虫放飼法や遺伝子ドライブ、そのための効率的な雌雄個体選別法といった技術の開発に重要である。イエカ属のM因子特定は、重要な疾病媒介蚊の新たな防除技術へと繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
昆虫類には様々な性決定機構があり、蚊類もその例外では無い。蚊は重要な疾病の媒介者であり、その性決定機構の理解は重要である。本研究の目的は、イエカ属の蚊における性を決定する遺伝子の特定とこのグループの蚊における性決定機構の分子メカニズムを明らかにすることである。本研究において、異なる二つのイエカ属の蚊から雄特異的なミ遺伝子の配列が明らかとなり、他の蚊の相同的遺伝子との進化的な関係を明らかにした。また、性決定で遺伝子が発現する胚期におけるトランスクリプトーム解析を行い、雌雄で特異的に発現する遺伝子調べたが、既知の性決定遺伝子と関連する遺伝子は見つからなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イエカ属は日本脳炎やウエストナイル熱といった重要な疾病を媒介する重要な分類群である。特に蚊類においては雌のみが卵を作るために吸血行動を行いその際に様々な病原体を媒介することを鑑みても、この生物群の性決定機構を理解することは非常に重要である。また、近年遺伝子ドライブに代表される技術では蚊の性決定機構を標的として繁殖を抑制し、個体群のコントロールを行うことが考案されており、性決定機構を分子レベルで理解することはさらに重要となる。本研究では性決定そのものを同定するには至らなかったが、雄が特異的に持つゲノム領域の情報がえらえれており、イエカ属の蚊において任意のステージで性別の判別が可能となった。
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