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自然生態系と連続した土地利用はハビタットの質を引き継ぐか?

研究課題

研究課題/領域番号 20K06096
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39060:生物資源保全学関連
研究機関東京都立大学

研究代表者

大澤 剛士  東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (40554332)

研究分担者 大西 亘  神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 主任学芸員 (00588270)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード水田生態系 / 植物群集 / 土地利用変化 / 圃場整備 / 自然史資料 / 標本 / 水田 / 湿地 / 地形解析 / 氾濫原湿地 / ハビタット / ネスト構造 / 土地利用 / 農業生態系
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、自然湿地の上に形成された水田は、生物の生息場(ハビタット)としての質が高いという仮説を検証することである。方法は、地形解析によって潜在的な自然湿地を推定し、現存する水田をかつて自然湿地であった水田と、人為改変によって本来湿地ではなかった場所に形成された水田に区分し、湿地性植物を指標としてハビタットとしての質を比較する。得られた自由に利用、加工、再配布できるオープンデータとして公開し、保全計画や自然再生に関わる方々が自由に利用できるようにする。

研究成果の概要

水田は湿地環境である一方、人間による改変を受けた土地利用形態の一つでもあるため、その由来には様々なものがありうる。本研究は、もともと湿地であった場所に成立した水田は長期的に湿地が維持されている状態に近く、湿地性植物のハビタットとしての質が高いという仮説を検証することを目的として実施した。研究期間を通し1)もともと湿地であった場所に成立している水田は湿地ハビタットとして高い質を持つこと、2)ただし、そういった水田の多くは大面積であるため、農作業の効率化を目指す圃場整備が優先的に行われ、期せずしてハビタットの質を大きく低下させている側面があることが明らかになった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究により、少なくとも関東において本来的にハビタットとしての質が高い水田は、優先的に圃場整備が行われ、結果的にその質が失われてきた可能性が高いことが示唆された。現在の日本は既に人口減少社会に突入しており、輸入食品の増加等も影響し、農業活動の縮小が進んでいる。他方、地域の生物多様性を保全する必要性が社会的に高まっている。圃場整備は農業活動の効率化を図る上で極めて重要な役割を持つ一方で、湿地ハビタットとしての質を著しく損なう面がある。農作業の近代化を進めるために圃場整備は現在も進められているが、今後もさらに拡大していく必要が本当にあるのか、再検討するべき時期が来ているかもしれない。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 東京都多摩地域南部におけるゲンジボタル <i>Luciola cruciata</i> の生息に及ぼす過去の土地被覆の影響2023

    • 著者名/発表者名
      浮田 悠、佐藤 臨、大澤 剛士
    • 雑誌名

      保全生態学研究

      巻: 28 号: 1 ページ: n/a

    • DOI

      10.18960/hozen.2219

    • ISSN
      1342-4327, 2424-1431
    • 年月日
      2023-04-30
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 河川合流の特性を活かした防災・減災(Eco-DRR)の可能性:那珂川周辺に存在する水田の利活用アイディア2022

    • 著者名/発表者名
      大澤 剛士、瀧 健太郎、三橋 弘宗
    • 雑誌名

      保全生態学研究

      巻: 27 号: 1 ページ: n/a

    • DOI

      10.18960/hozen.2030

    • ISSN
      1342-4327, 2424-1431
    • 年月日
      2022-04-15
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Large, concealed islands in the urban sea: Scattered surrounding green space enhances the quality of grassland habitats in urban parks, Tokyo2022

    • 著者名/発表者名
      Ohata Seiichiro、Osawa Takeshi、Sato Nozomu、Tsutsumida Narumasa
    • 雑誌名

      Urban Ecosystems

      巻: - 号: 3 ページ: 641-649

    • DOI

      10.1007/s11252-022-01311-x

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Toward Social Infrastructure: Typological Idea for Evaluating Implementation Potential of Green Infrastructure2022

    • 著者名/発表者名
      Osawa Takeshi、Nishida Takaaki
    • 雑誌名

      Green Infrastructure and Climate Change Adaptation

      巻: - ページ: 61-70

    • DOI

      10.1007/978-981-16-6791-6_5

    • ISBN
      9789811667909, 9789811667916
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Paddy Fields as Green Infrastructure: Their Ecosystem Services and Threatening Drivers2022

    • 著者名/発表者名
      Osawa Takeshi、Nishida Takaaki、Oka Takashi
    • 雑誌名

      Green Infrastructure and Climate Change Adaptation

      巻: - ページ: 175-185

    • DOI

      10.1007/978-981-16-6791-6_11

    • ISBN
      9789811667909, 9789811667916
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Paddy fields located in water storage zones could take over the wetland plant community2020

    • 著者名/発表者名
      Osawa Takeshi、Nishida Takaaki、Oka Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 号: 1 ページ: 14806-14806

    • DOI

      10.1038/s41598-020-71958-z

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 保全、教育、研究、交流の場となる大学敷地内の緑地2023

    • 著者名/発表者名
      大澤剛士、加藤英寿
    • 学会等名
      日本生態学会第70回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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