研究課題/領域番号 |
20K06122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齊藤 陽子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00302597)
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研究分担者 |
黒河内 寛之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00609000)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 立地環境 / 環境DNA / GIS / デジタルPCR / アンプリコンシーケンス / 希少樹木 / 生育適地 / 種特異マーカー / 核SSRマーカー / 葉緑体DNA / 環境DNA |
研究開始時の研究の概要 |
個体数が少なくなった樹種の現存個体に直接アプローチすることは保全上必須である。しかし、広大な森林の中で位置が定かでない単木~数個体を発見することは困難である。そこで、本研究では、個体数が少ない樹木の現存個体を発見する手法の開発を行う。まず、地理情報システム(GIS)上で対象樹種の現存する生育地の地形的特徴(立地条件)から、探索対象地の生育可能地点を推定する。次に環境DNA分析を利用し、渓流内の沈殿物あるいは水から抽出したDNA内に対象樹種が含まれるかを検出し、生育する流域を推定する両者の結果を統合して、対象種が存在すると推定された場所へ徒歩で踏査あるいはドローンで生育の有無を確認する。
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研究実績の概要 |
本研究はアサダを事例として、少数個体しか残されていない樹木種を山中で見つける手法の開発を目指すものである。 GISを用いた生育地推定については、2022年度に地形情報を用いた生態ニッチモデリングと衛星データより推定した千葉県内での生育可能性があると考えられた10地区のうち鋸山・富山・白石峠の3地区を実際に踏査し、アサダ個体の有無を確認した。その結果、3地区ともアサダの生育は確認できなかった。 環境DNAからのアサダの検出については、2022年度に開発したアサダの種特異的プローブの有効性を確認するための実験を行った。全国8か所に生育するアサダの葉から抽出したDNAに対して、デジタルPCRを用いてアサダのDNAが検出できるか確認したところ、全ての地域のサンプルで検出ができた。また、近縁種のカバノキ属シラカンバ・ウダイカンバ・オノオレカンバ・ミズメ・ヤエガワカンバの5種の冬芽から抽出したDNAについてアサダのプローブが反応するか否かを確認したところ、5種とも反応しなかった。このことから、開発したアサダプローブは全国的に利用が可能であると同時に、近縁種であるカバノキ属5種を誤って検出することはないことが確認できた。次に実際の水からアサダのDNAが検出できるかを確認するため、東京大学理学部附属植物園内のアサダが汀に生育する池の水から抽出したDNAについて、アサダプローブを用いて検出を試みたが、検出できなかった。一方、葉緑体DNAのバーコーディングに用いられる2領域について、次世代シーケンサーを用いたアンプリコンシーケンスを行った。その結果、2領域のうち1領域で13種類の植物種が検出され、アサダも検出された。このことから、池の水にアサダのDNAが含まれており、検出が可能であることが分かった。
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