研究課題/領域番号 |
20K06144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
斎藤 琢 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (50420352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 撹乱 / 雪害 / ガス交換 / スギ / 遷移 / 生態系モデル / 水 / 炭素 |
研究開始時の研究の概要 |
雪害による自然撹乱前後のスギ林生態系の生態系機能(炭素・水循環)とその変動メカニズムをフィールド観測と生態系モデリングの統合により解明する。特に、2014年12月に雪害による大規模自然撹乱を受けた岐阜県高山市の長期複合的な観測拠点である「50年生冷温帯常緑針葉樹林(主にスギ);TKCサイト」を重点サイトとして、「スギの樹冠欠損によって生じる炭素・水循環プロセスの空間的不均一性」と「撹乱前後の生態系機能の定量的評価および群落スケールのガス交換特性の変動メカニズム」を解明することで、生態系機能の現状診断と変動予測の精緻化・高度化に資する科学的知見を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、雪害による自然撹乱前後のスギ林生態系の生態系機能とその変動メカニズムをフィールド観測と生態系モデリングの統合により解明することである。2014年12月に雪害が生じた岐阜県高山市のスギ林における2006年から2022年までの17年間のタワーフラックスデータの解析により、2014年12月の雪害後、徐々に純生態系生産量が増加していることが明らかとなった。モデル解析と生態学的観測から、雪害後の落葉低木の侵入、スギ個体による幹表面呼吸量の減少、雪害によって発生した粗大有機物の呼吸量の寄与が小さいことがその要因であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大規模な自然撹乱は、発生頻度は少ないものの、ひとたび発生すれば、林分構造や地表面環境を劇的に改変し、森林の生態系機能に甚大な影響を及ぼすことが予想される。我が国の森林を構成する主要樹種であるスギは、冷温帯地域に多く植林されており、様々な地域で不定期に、雪害による倒木、幹折れなどの撹乱被害が生じている。したがって、雪害による自然撹乱が生態系機能に及ぼす影響を定量的に評価し、かつその変動メカニズムを解明した本課題は、我が国の流域・地域・国土といった様々な空間スケールでの森林生態系機能評価に資する重要な研究と位置づけられる。
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