研究課題/領域番号 |
20K06167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
市浦 英明 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (30448394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イオン液体 / 紙 / 製紙薬剤 / 湿潤紙力 / 乾燥紙力 / 乾燥紙力強度 / 湿潤紙力強度 / セルロース / 製紙 |
研究開始時の研究の概要 |
乾燥紙力剤であるポリアクリルアミド系樹脂 (PAM) や湿潤紙力剤であるポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂 (PAE) は、日本では最も多く利用され、製紙において重要な内添用製紙薬剤である。現在、白水の水質悪化に対応可能で、環境に優しい製紙薬剤が求められている。そこで、本申請ではイオン液体を用いて一部フィルム化したパルプを乾燥・湿潤紙力剤として活用する手法を確立する。そして、パルプへのイオン液体処理条件および処理パルプ添加量が乾燥・湿潤紙力におよぼす影響を明らかにする。現在使用している製紙薬剤の環境面の課題の解決を行い、環境調和性の高い新しい内添用製紙薬剤の創製を試みる。
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研究成果の概要 |
イオン液体処理パルプを添加した紙の乾燥・湿潤紙力強度の強度を測定した結果、ブランク条件と比較して、増加する傾向を示した。これは、フィルム化したパルプによって繊維間水素結合が増加した結果と考えられる。 バージンイオン液体を用いた場合と比較して、回収・再利用したイオン液体を用いた場合の紙力強度が低下する傾向であった。イオン液体の加熱処理の影響が大きいと推測された。そこで、加熱処理を行わず室温処理を行った後、回収したイオン液体で処理したパルプを添加した紙の場合、乾燥および湿潤紙力強度の低減を抑制できた。また、ゼオライトや再結晶による加熱しない方法においても乾燥および湿潤紙力強度の低減が可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、イオン液体を活用して、一部フィルム化したパルプを内添用製紙薬剤として使用を試みた。これは、白水の水質改善が可能である点に加え、従来の石油系の製紙薬剤を使用しない環境調和性の高い乾燥・湿潤紙力剤の調製が可能になる。本研究は、セルロースのみからなる新しい内添用湿潤紙力剤に関する研究であり、現在の製紙工業が抱える環境問題を解決する有望な手段と考えられる。
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