研究課題/領域番号 |
20K06176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
水田 浩之 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (00250499)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | コンブ / 世代交代 / ストレス防御 / 生存能力 / シードバンク / 配偶体 / 生残性 / 防御 / ケイ素 / 抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
コンブ藻場の効率的な回復に向けて、自然回復が可能かどうか?移植や母藻投入による生殖細胞等の供給といった人為的な関与の程度や規模をどれくらいにすべきか?という課題の解決が必要である。その課題解決ためには、シードバンクとしてのコンブ微視的世代のストレス抵抗性や生存能力を明らかにし、その生物量と環境との相互関係を把握した上で自然回復力の評価や母藻投入・移植による新規加入量を決める必要がある。そこで、本研究ではコンブ微視的世代の生残機構を把握し、母藻や環境との相互関係を明らかにすると共に、実海域での微視的世代の生物量を推定する技術の開発を試み、藻場の保全や造成に有用な基礎的知見を提供する。
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研究成果の概要 |
マコンブ微小世代(配偶体)の多くは連続暗期下で3カ月間生存できるが、その後は葉緑体機能の低下と共に活性酸素が生じ、生存率の低下を招いた。また弱光の照射は高生残率を長く維持することから、光照射が配偶体の生残に不可欠であることが分かった。さらに、巨視的世代(胞子体)の生殖器官(子嚢斑)では活性酸素発生のもとケイ素を細胞外に取り込みポリフェノールと架橋を形成する防御機能に富んでいることが示唆された。このことは、子嚢斑はウニの摂食により消化され難く、それを摂餌したウニの消化管内の糞や放出した糞を培養するとコンブ配偶体や幼胞子体が多数出現した事から、胞子体の配偶体の生残性への貢献の一端が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンブ類は、巨視的世代と微視的世代との間で世代交代を行い、両世代の量や質は次世代の生物量を大きく左右する。特に微視的世代は、そのサイズの小ささから藻場における生存性について不明な点が多い。その為、シードバンクとしての微視的世代の生存性やそれを支える生理機構の解明、また巨視的世代と微視的世代の相互関係や藻食動物との関連性を具体的に把握することは、沿岸域における藻場を形成・維持に有用な知見を提供することになる。加えて、コンブ微視的世代のストレス抵抗性や生存能力の把握は、養殖の際の種苗生産や種苗保存にも大きく貢献する。
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