研究課題/領域番号 |
20K06181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石川 輝 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00273350)
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研究分担者 |
松岡 數充 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 外来研究員 (00047416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 有毒渦鞭毛藻 / アレキサンドリウム・タマレンセ / シスト / 発芽 / 栄養細胞 / 伊勢湾 |
研究開始時の研究の概要 |
アレキサンドリウム・タマレンセはアサリ等の二枚貝類を毒化させる有毒渦鞭毛藻である。従って、本種の個体群形成機構を解明することは、漁業被害を防止するためにも重要な課題である。そのために、本研究では、アレキサンドリウム・タマレンセが出現する伊勢湾内の松阪港を調査定点として、本種の休眠細胞であるシストの現場海底からの発芽を、本研究代表者が以前開発した器具を用いて季節的に実測し、またプランクトンとして遊泳している栄養細胞群集の季節消長を長期間にわたって追跡する。
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研究実績の概要 |
アレキサンドリウム・タマレンセ(現在名はアレキサンドリウム・カテネラであるが、ここでは旧名のまま使用する)は麻痺性貝毒を産生する有毒渦鞭毛藻であり、国内外において広く二枚貝類の毒化を引き起こす極めて危険な生物である。本種はその生活史の一時期に海底上で生残するステージであるシストを形成するので、プランクトンとして遊泳している栄養細胞個体群の形成機構を解明するためには初期細胞群発生のタネとなるシストの発芽動態について把握することが必須である。本研究では、これまでも本種が度々発生している伊勢湾を研究対象海域として、本研究代表者が以前開発した現場でのシスト発芽細胞を直接捕らえることができる器具(Plankton Emergence Trap/chamber:PETチャンバー)を用いて、本種シストの現場海底からの発芽量を実測し、また栄養細胞群集の季節消長を追跡することで、その個体群形成機構を解明することを目的としている。 調査は三重県松阪港内(伊勢湾の西側沿岸に位置する)に停泊中の三重大学大学院生物資源学研究科附属練習船・勢水丸をプラットフォームとして利用し、そのデッキ上で2020年2月より2021年7月までの1年6ヶ月にわたり、毎月一回行った。PETチャンバーにより得られたサンプルと採水によって得られた海水サンプルについて、2022年度は顕微鏡でさらに詳しく観察した結果、現場海底上における本種シストの発芽と水柱中における栄養細胞の出現の状況を明らかにすることができた。また、伊勢湾産の本種株を用いた培養実験により栄養細胞の増殖に及ぼす水温の影響についても明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプルの処理や培養実験も比較的順調に進んでいる。これまでのところ、本研究の遂行において大きな支障は発生していない。
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今後の研究の推進方策 |
伊勢湾産アレキサンドリウム・タマレンセの株を用いた培養実験により、栄養細胞の増殖に及ぼす塩分の影響について調べる。その後、得られた全ての結果をもとに、本種栄養細胞の出現を、現場における本種のシストの発芽と海洋環境要因との関係から詳細に明らかにしていく予定である。
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