研究課題/領域番号 |
20K06208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
海野 徹也 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (70232890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アオリイカ / 産卵床 / 回遊 / イカシバ / バイオテレメトリ / 多回交接 / DNA多型 / 人工産卵床 / 資源管理 / 繁殖生態 / 繁殖貢献 / 父系判別 / DNAマーカー / 産卵 |
研究開始時の研究の概要 |
沿岸漁業や遊漁対象として優良資源となっているアオリイカ資源を維持・増殖するため、各地で人工産卵床の設置が行われている。中でも、間伐材を利用した「イカシバ」の設置は、その手軽さから漁業者や遊漁者らによって活気を帯びている。ところが、親アオリイカの産卵回遊生態や、イカシバなどの人工産卵床の利用実態や有効性については未知である。本研究は親アオリイカの人工産卵床の利用実態を探るべく、超音波バイオテレメトリとDNA多型解析を用いた先導的な研究を行う。さらに、間伐材を活用したイカシバを研究対象とすることで、資源維持と資源循環のための啓発モデルとなるような投機的な基盤研究を目指す。
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研究成果の概要 |
アオリイカは重要な水産資源であり、本種の資源を維持・増殖するため、各地で人工産卵床「イカシバ」が設置されている。本研究は、産卵期の親イカの産卵回遊生態やイカシバの利用実態、さらにはDNA多型解析によって繁殖生態の解明を試みた。三重県引本湾において、親イカ7個体に発信器を装着し、追跡した。その結果、5個体は同湾に留まっていた。そのうち2個体は高頻度でイカシバに接近していた。20尾の雌イカとそれらから採集した精莢を用いて、DNAマーカー7座による父兄判別を行った。その結果、全ての雌で多回交接を示した。これら得られた知見は、アオリイカの人工産卵床の設置や資源管理に有益な情報となるだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的価値は高く、我が国で初めて、親アオリイカの産卵回遊や雌の多回交接の実体を明らかにたものである。一方、イカシバ設置は漁業者らが資源管理に関心を持った事例であるが、その普及によって、一般市民への資源保護への関心増と啓蒙・模範活動につながる。また、間伐材を活用したイカシバは、資源循環と資源維持のためのモデル活動となる。さらには、イカシバ設置によってアオリイカ資源が増大すれば、漁業振興のみならず、遊漁やダイビングなどの観光資源として地域振興への貢献が期待できる。
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