研究課題/領域番号 |
20K06215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
河村 耕史 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00595613)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 藻類バイオ燃料 / 突然変異育種 / 自然個体群 / Botyrococcus braunii / ボツリオコッカス / トランスポゾン / 熱帯 / 遺伝資源 / Botryococcus |
研究開始時の研究の概要 |
微細藻類は光合成によって二酸化炭素と水から脂質、水素など、エネルギーに変換可能な物質を作ることができるため、微細藻類からカーボンニュートラルで再生可能なエネルギーを作るための藻類バイオ燃料の研究が国内外で進められている。本研究は、重油相当の炭化水素を作る特質から石油を作る微細藻類と呼ばれているBotryococcus braunii を研究材料とし、既存株よりも増殖性に優れた新しい野生株の存在可能性を検証する。同時に、イオンビーム照射やトランスポゾンの活性化による突然変異育種技術の開発を行う。
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研究成果の概要 |
石油を作る微細藻類Botryococcus brauniiの野生株の単離法、スクリーニング法を開発し、熱帯のインドネシアと日本各地から野生株を採取した。ここから、増殖性の高いものを選抜した結果、これまでの増殖速度の記録を更新する新たな新規高増殖株(OIT-678株)を発見した。本株は倍加時間が1.2日である。突然変異育種法の開発として、内在性のトランスポゾンを使った変異誘発の方法を開発するための研究を行った。Showa株の転写産物データベースからトランスポゾン遺伝子を単離し、転写活性を有するトランスポゾンを4種特定した。これらの挿入位置の塩基配列情報を網羅的に取得する方法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Botryococcus brauniiは、コスモポリタンな微生物であるものの、一般に生息密度は低いため、自然環境中で発見することは容易ではない。本研究は、野生株を探索して単離する簡易な方法を開発した。また、合成する炭化水素の種類を推定する手法も開発した。これらを使えば、自然界のより多くの野生の遺伝資源を調査することができるだろう。私たちが単離した野生株のなかには、これまで記録されていた増殖速度の最速記録を更新するような株も見つかった。さらに、探索範囲を広げれば、より有用な株が見つかる可能性がある。また、本研究が開発した手法は、生息地の選好性や大量発生メカニズムなど、未知の生態解明にも役立つ。
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