研究課題/領域番号 |
20K06221
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
別府 史章 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (10707540)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 水産脂質 / n-3系多価不飽和脂肪酸 / 骨格筋 / 筋委縮予防 / 筋管形成 / 老化 / 酸化ストレス / グリセロリン脂質 / C2C12細胞 / 筋管形成促進効果 / ヒトデ / ホスファチジルコリン / エネルギー代謝 / SAMP8マウス / 筋委縮 / 筋形成 / 代謝異常 |
研究開始時の研究の概要 |
生活習慣病や要介護の問題を背景に重要な課題となった老化や代謝障害による筋機能低下に対し、本研究では食品成分によるアプローチとして水産脂質に注目する。そのために、魚介類の脂質成分による筋機能低下予防効果の評価を①骨格筋構造の維持、②骨格筋エネルギー代謝制御、③マイオカインを介した個体レベルのエネルギー代謝制御の3点に着目して行う。筋管形成モデルC2C12細胞を用いたスクリーニングとin vivo試験での機能解析により、新たな水産脂質資源の新規開拓や筋委縮予防・治療方法の開発へとつなぐ基礎的な知見を得る。
|
研究成果の概要 |
魚介類、底生生物の脂質抽出物からC2C12細胞の筋管サイズ増大効果を示す成分を複数見出し、一例としてヒトデ由来脂質は転写因子FoxOを介した筋タンパク質分解関連遺伝子の発現制御に関わることが推察された。また、老化モデルSAMP8マウスにおける魚油の筋委縮予防効果を認め、EPA/DHAによる筋細胞における酸化ストレスおよび小胞体ストレスの抑制作用が一部関わる可能性が示唆された。以上、筋機能維持・向上に有効な食品成分として水産脂質の利用展開へ向けた基礎知見を得ることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、健康維持・増進に重要な骨格筋機能の制御に関わる脂質成分を水産生物資源を中心に探索し、筋形成および代謝調節作用を示す脂質や脂質画分を複数見出した。特に底生生物や深海性魚類に特徴的な脂質成分の筋形成促進作用を新たに示した点は、未利用水産資源の機能性食素材としての応用を考える上で非常に意義深い。今後in vivoでの機能効果検証と作用機構解析へ展開し、これら脂質構造に起因する筋機能制御作用を明らかにすることで、新たな筋疾患予防法の開発へも貢献が期待される。
|