研究課題/領域番号 |
20K06241
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
筒井 繁行 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20406911)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | レクチン / 血液凝固 / 軟骨魚類 / プロトロンビン / フィブリン形成 / 血液凝固カスケード / C型レクチン |
研究開始時の研究の概要 |
HjCLは軟骨魚類ネコザメの皮膚から単離されたC型レクチンであり、ネコザメの血液凝固を促進することが示されている。本研究はこのHjCLが起点となる、新奇血液凝固カスケードの全容解明を目的とする。 ネコザメ血漿にHjCLを添加すると、120 kDaのタンパク質が切断されることが示されている。本研究ではまずこのタンパク質の一次構造を決定する。次にこのタンパク質を精製し、HjCLを添加することで活性型を得る。これをネコザメの血漿に加えることで切断を受ける血液凝固因子を特定する。この操作を繰り返すことで、いずれ既知の血液凝固因子のホモログが検出され、最終的にカスケードの全容が明らかになると期待される。
|
研究成果の概要 |
HjCLは軟骨魚類ネコザメの皮膚から見出されたC-typeレクチンであり、本種の血液凝固を誘導することが示されている。本研究では本レクチンがネコザメ血液凝固因系のどの因子に作用するのかを探索することで、脊椎動物における新奇血液凝固カスケードの全貌を明らかにしようとするものである。 HjCLはプロトロンビンに直接的に作用した。また、意外なことに本レクチンはプロトロンビンの糖鎖ではなく、ペプチド鎖に結合することが示唆された。プロトロンビンが自己分解すること、およびHjCLは酵素ドメインを持たないことから、本レクチンの結合によりプロトロンビンの立体構造に変化が生じ、自己分解を誘導するものと考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ネコザメの皮膚から単離したC-typeレクチンはネコザメ血漿中のプロトロンビンの分解を誘導した。また、この分解産物はヒトフィブリノーゲンをゲル化した。以上により、レクチンがプロトロンビンに直接的に作用する新奇血液凝固カスケードの全貌が明らかになったと共に、ヒトに対する医療分野にも応用できる可能性が示唆された。
|