研究課題/領域番号 |
20K06305
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
中村 真人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (60414463)
|
研究分担者 |
治多 伸介 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (60218659)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 農業集落排水施設 / 汚泥 / 作物残渣 / C/N比 / 医薬品 / メタン発酵 / 農業集落排水汚泥 / 再生可能エネルギー / 環境汚染リスク / 資源循環 |
研究開始時の研究の概要 |
農業集落排水汚泥と食品廃棄物の混合メタン発酵と消化液(発酵残さ)を肥料利用するシステムは、廃棄物削減、エネルギー生産と資源循環を同時に実現できる有力な解決策である。しかし、食品廃棄物は多様であり、汚泥との混合条件によっては発酵不良を生じ、また、消化液の肥料利用には生活排水由来医薬品に代表される新興汚染物質による環境汚染リスクの懸念が残っている。本課題では、集排汚泥と多様な食品廃棄物の安定的な発酵が可能な混合条件を明らかにする。さらに、メタン発過程における医薬品の分解特性を把握する。それにより、医薬品の環境リスクを低減し、多様な食品廃棄物に適用可能なメタン発酵システムの設計手法を確立する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、集排汚泥と食品廃棄物等との混合メタン発酵試験により、安定的な発酵が可能な条件を明らかにするとともに、メタン発酵及び消化液の液肥利用過程での医薬品の分解特性を把握した。集排汚泥とC/N比が生ゴミよりも高い食品廃棄物を原料とした混合メタン発酵においては、pH、ガス発生量の減少などの発酵不良状態に陥った。それに対して、窒素源として尿素を添加したところ、発酵は順調に進行した。尿素の添加は、発酵の安定性向上だけでなく、消化液の肥料価値の向上につながる。医薬品の分解特性については、高温メタン発酵条件と消化液の貯留過程で医薬品の分解が進みやすいことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集排汚泥と食品廃棄物等の混合メタン発酵は、廃棄物から再生可能エネルギー源であるメタンを取り出せ、消化液(発酵残渣)を肥料として利用できる、農村地域に適した技術である。農村で発生する廃棄物を幅広く活用することが望ましいが、C/N比の高い食品廃棄物を原料とすると、発酵不良を引き起こす可能性があった。それに対して、本研究では、原料に尿素を添加することにより、発酵不良を起こさず、肥料利用に適する消化液が得られる条件を明らかにできた。また、メタン発酵及び消化液の液肥利用過程での医薬品の分解特性を把握できたことは、より安全・安心な消化液の肥料利用の推進につながる。
|