研究課題/領域番号 |
20K06306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山岡 賢 琉球大学, 農学部, 教授 (70373222)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メタン発酵 / 硫化水素 / 溶存硫化物 / 活性汚泥 / 脱硫 / 汚泥 / 集落排水 |
研究開始時の研究の概要 |
メタン発酵は,有機物を嫌気状態で生物処理することで,燃料として利用可能なメタンガスを約6割含むバイオガスを生成し,エネルギー回収できる有益な技術である。しかし,バイオガスは,有毒で大気汚染の原因になる硫化水素を含有するため,硫化水素の除去が必要で,メタン発酵プロセスの運転管理上のコスト要因の1つとなっている。 本研究では,農業集落排水施設に併設される小規模なメタン発酵プロセス向けの低コストなバイオガス中の硫化水素の除去技術の開発に向けて,排水処理プロセスで保持されている活性汚泥を脱硫プロセスに適用することを目指し,その基礎諸元となる活性汚泥微生物群の硫化水素の除去能力を室内実験で解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、農業集落排水施設に併設されるメタン発酵施設向けのバイオガス中の硫化水素の除去技術開発に向けて,活性汚泥による硫化水素の除去能力を明らかにすることを目的とした。バイオガスを水または活性汚泥と接触させると,バイオガス中の硫化水素濃度は接触面積・接触時間によって100ppm以下とすることができた。これは,硫化水素の水または活性汚泥への溶解と考えられた。このため,硫化水素を溶解した水または活性汚泥の溶存硫化物量を測定すると,硫化水素の溶解量に対する溶存硫化物量の割合は水では約3割,汚泥では約3%であった。農業集落排水施設の活性汚泥をバイオガス中の硫化水素の除去に利用可能なことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、農業集落排水施設の活性汚泥をバイオガス中の硫化水素の除去に利用可能なことを明らかにした。既存のメタン発酵施設での脱硫プロセスは,酸化鉄を主成分とした脱硫剤を消費する乾式法や好気性菌の硫黄酸化細菌を嫌気状態のメタン発酵プロセス内で維持なければならない生物法で,資源消費や維持管理の困難さがあった。本研究結果を基に,排水処理施設の生物反応槽で維持管理されている活性汚泥に硫化水素を溶解させることで硫化水素の分解まで可能であれば,バイオガスの脱硫コストを大幅に低減することが期待できる。
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