研究課題/領域番号 |
20K06321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉田 弦 神戸大学, 農学研究科, 助教 (60729789)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 嫌気性MBR / メタン発酵 / 畜産バイオマス / 乳牛糞尿 / 消化液利用 / 微細藻類 / 液体畜産バイオマス / 消化液改質 / 膜分離 / 畜産廃棄物 / 消化液 / 資源循環 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギ回収技術であるメタン発酵の酪農での導入の課題となっている、発酵設備の巨大さと消化液利用を解決するために、嫌気性膜分離プロセスを構築する。畜産系バイオマスの中でも堆肥化に不向きな液状の乳牛糞尿を対象に、膜分離型メタン発酵を適用し、発酵速度の大幅な短縮を目指す。また藻類培養や施設栽培に直接利用できるような高品質な膜ろ過消化液を生成する。これらにより、畜産系バイオマスの新しいマテリアルフローを創出し、地域内資源循環の促進に貢献する。
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研究成果の概要 |
メタン発酵の発酵速度の遅さに起因した発酵設備の巨大さと、消化液利用を解決するために、液体畜産バイオマスの嫌気性膜分離プロセス(嫌気性MBR)を構築することを目的とした。乳牛糞尿の液分を含む酪農廃水を基質として実験を行った。バイオガス収率はHRTが短くなるにつれて低下したが、メタン濃度は60%以上を維持した。嫌気性MBR消化液を利用した微細藻類の培養試験を実施し、消化液の利用可能性を評価した。嫌気性MBRの希釈倍率が2倍および10倍で最大の細胞増殖が観察された。以上から、嫌気性MBRによる液体畜産バイオマスのメタン発酵の高速化と、消化液の利用性の向上が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築の可能性が示されたプロセスにより、乳牛糞尿のバイオガス化に要する期間が大幅に短縮されることで発酵槽が小型化し、導入コストの低下が期待できる。また、消化液の性状や外観、安全性が向上することで複合的機能が創出され、利用可能性が拡大する。これらにより、畜産系バイオマスの新しいマテリアルフローを創出し、地域内資源循環の促進に貢献する。乳牛糞尿を固液分離して液分のみをメタン発酵に用いる研究がすでに実証されているが、現状では大規模な酪農家を想定したものになっている。本研究では小規模の酪農家でも導入可能な小型のバイオガス化装置の開発を主目的としており、既報の研究を補完しうるものと考えられる。
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