研究課題/領域番号 |
20K06334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
古井 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (70391191)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 地理的多型性解明 / 食品害虫 / ノシメマダラメイガ / 異物混入 / DNA多型 / DNA抽出法 / 昆虫組織 |
研究開始時の研究の概要 |
ノシメマダラメイガのミトコンドリア(mt)DNAの全配列のうち、地域的多型が生じやすいホットスポットを特定することで、地域ごとの遺伝的多様性を明らかにする。具体的には、まず昆虫からのmtDNAの効率的な調製手法を開発する。次いで、環太平洋の数カ国をからノシメマダラメイガを入手し、次世代シーケンサ等を利用してmtDNAの全塩基配列(約16kbp)を解読する。その後、アライメント解析を行い、生息地域間で特徴的に多型が見られるホットスポットを見いだし、その特徴をタイピングする。得られた知見は、採集地が不明な昆虫や、食品などへ混入した昆虫などの混入地点を特定するために幅広く応用できる。
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研究成果の概要 |
日本国内におけるノシメマダラメイガのDNA多型を明らかにするため、34地点で得られた成虫を採集した。これらのチトクロムcオキシダーゼサブユニットI遺伝子及び16S リボソームRNA遺伝子の塩基配列情報を比較したところ、それぞれの標的に特徴的な変異が見出された。 ミトコンドリアDNA(mtDNA)の効率的な単離法を開発するために、総DNAをアガロースゲルによる電気泳動で分離した。分子量マーカーを指標として、mtDNAを含むゲルを切り出し、市販のキットで回収・精製した。本法は、分子生物学実験の基本実験に沿ったルーチン操作で実施可能で、得られたmtDNAは収量が良好、かつ高純度に調製可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表的な食品害虫として知られるノシメマダラメイガは飛翔性が低く、移動が抑制された状態で住み続けることで、ミトコンドリアDNA(mtDNA)に地域に特有な遺伝的な変異が生じている。この独自性を活用すれば、ごく微量の昆虫片から生息地域判定が可能となる。 本研究では、国内34箇所におけるノシメマダラメイガを採集後、DNA配列を比較し、生息地域によるDNAの地域差を明らかにした。また、mtDNAのシンプルかつ効率的な調製法を開発した。本研究成果は、他の昆虫やmtDNA全域の配列データの蓄積と比較を進めることで、食品に混入した昆虫から混入地点を特定する、迅速で精確性の高い分析手法の開発に応用できる。
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