研究課題/領域番号 |
20K06337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮沢 佳恵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40370613)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 木質バイオマス / 有機農業 / 葉菜類 / 炭素貯留 / 野菜 / 糸状菌 / 環境保全 / 無農薬栽培 / 品質 |
研究開始時の研究の概要 |
地域の木質バイオマスを土壌に大量投入し、糸状菌等により分解させてから漉き込む土作りにより、通常の家庭の冷蔵庫でも4週間鮮度を保つことのできる葉菜類を栽培している生産者がいる。慣行栽培に比べ、食味も評価が高く、かつ生育期間が通常の栽培よりも短縮され、収量も高い。現段階では、この技術によってハウス内に高CO2条件を作り出すことがわかっているのみであり、木質バイオマスが野菜の生育や品質に効果を与えるメカニズムは不明である。そこで当該技術のメカニズムを科学的に解明し、その技術の確立を行う。
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研究成果の概要 |
木質チップなどの高炭素資材を大量に投入して栽培する技術について、現地調査や生産者インタビュー、及び圃場試験を行った。その結果、通常の有機栽培等で使われる畜産堆肥や完熟堆肥を利用した場合と比べ、コマツナの収量と品質が高くなる傾向があること、またそれらの要因として土壌中の無機態窒素濃度やCO2濃度の影響は小さいことが明らかになった。こうした木質チップを利用して栽培を行っている複数の生産者へのインタビューと現地調査では、栽培に成功している農家の圃場には糸状菌が目視できるほど増加していること、硬盤層がないこと、さらに無機態窒素量が比較的少ないことが共通していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業生産における物質循環の促進や、土壌の改善そして炭素貯留に関する技術や知見は持続的な農業生産や地球環境の保全のために最も重要である。本研究で対象としている技術は地域の木質系バイオマスを有効利用し、土壌を改善して土壌中の炭素貯留を増加する可能性のある技術であり、普及の面からも生産性や品質も同時に向上する可能性を明らかにした意義は大きい。また、耕地における微生物相の変化を伴う可能性のある技術であることから、学術的にも大変興味深い現象を捉えた研究である。
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