研究課題/領域番号 |
20K06342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 照悟 京都大学, 理学研究科, 助教 (60632586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光周性 / 環境応答 / 概日時計 / 休眠 / ウキクサ / バイオマス |
研究開始時の研究の概要 |
休眠時にデンプンを高濃度に蓄積するキタグニコウキクサの、休眠誘導を制御するkey因子と休眠制御機構について知見を得ることを目的としている。世界中から採取されたL.t.株の集団を用いて、日長感受性とストレス感受性、デンプン生産能を指標にバイオマス生産性の高い有用株を選抜する。この有用株を用いて、NGSを用いた網羅的な遺伝子発現解析から、休眠を制御する短日性誘導経路とストレス誘導経路の各経路のマスター遺伝子を同定する。分子機能解析には一過的な遺伝子共導入法と生物発光モニタリング系を用いる。さらに安定形質転換技術により、休眠制御遺伝子の分子機能解析を行い、増殖vs休眠の人為的な制御を試みる。
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研究成果の概要 |
キタグニコウキクサでは短日依存的に休眠を誘導し休眠芽を発達させることをこれまでの研究で見出してきた。 本研究では、キタグニコウキクサは、植物ホルモンのサリチル酸やアブシシン酸の添加によって休眠を誘導することがわかった。休眠開始時に、誘導が顕著なLtDOF遺伝子を、Estradiolによる発現誘導系で過剰発現させる形質転換キタグニコウキクサを作出した。LtDOF形質転換体では、休眠非誘導の長日条件であっても、休眠様の表現型が観察された。誘導した転写因子の過剰発現の程度に相関して、成長停止、フロンドの老化が観察された。休眠しないムラサキコウキクサではLtDOFの過剰発現効果は観察されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウキクサ植物は増殖速度が非常に速く、非食料のバイオマス植物として注目されています。1年あたり最大で100トン/乾燥重量・ヘクタールという驚異的な生産能力を備えている事がわかっています。通常生育時の植物内にはタンパク質が豊富(乾燥重量あたりタンパク質含量約30%)ですが、休眠誘導時にはタンパク質をデンプン系化合物へと変化させます。この変化が特に顕著なのが休眠芽を発達させるキタグニコウキクサです。本研究はウキクサが日長情報を感知し、休眠を誘導する分子機構を解明することを目的としますが、この知見は、バイオマス生産技術へと繋がり、植物を用いた再生エネルギー資源利用による循環型社会の形成に貢献します。
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