研究課題/領域番号 |
20K06353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
加瀬 ちひろ 麻布大学, 獣医学部, 講師 (60738772)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 新奇物反応 / 警戒行動 / 野生動物管理 / 行動の種差 / 探査行動 / 個体の特性 / 心理的行動制御 / 新奇物への反応 / 視覚刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
市街地出没や人身被害など、野生動物の特定の個体の学習による警戒心の低下や人馴れが 原因と考えられる問題が各地で発生しており、特定の個体をコントロールするための「個体管理」の必要性が高まっている。「個体管理」には物理的行動制御と心理的行動制御があるが、野生動物の警戒行動については動物種差や影響する要因の解析が十分に行われておらず、心理的行動制御が上手く活用できていない。そこで本研究では、警戒行動の発現に関係する 要素のうち「個体の特性」と「対象物の特性」に着目し、警戒行動の動物種差と新奇物の視覚刺激が警戒行動に及ぼす影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
野生動物の警戒行動を増減させる要因として、対象物の視覚刺激に着目し、新奇物に対する警戒行動の種差・個体差を定量化した。初期警戒行動についてはニホンジカ、イノシシ、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アライグマを比較することで、種による行動様式の違いや、同種内での個体差が明らかになった。新奇物の動きの有無が初期警戒行動から慣れに及ぼす影響については、イノシシと比べるとアナグマは警戒反応が低いこと、慣れまでが速いことが示唆された。「動き」はいずれの動物種でも警戒行動を高めることが示唆されたが、その影響は僅かであり、単に動きを付加しただけで野生動物の行動を制御できるほどの影響はないと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに新奇物を用いた警戒行動の調査は様々な動物種で実施されてきたが、同じ手法を用いて複数の動物種間で比較を行った例は少ない。今回の研究により、これまでに多くのフィールドワーカーが感覚的に感じていた動物種による警戒反応の違いを定量化することができた。また、同種においてもその反応には個体差があるが、今回は十分なデータとは言えないが個体差の幅もある程度把握できた。これにより、動物種差・個体差を踏まえた野生動物の「個体管理」を行う上での基礎的知見の一部を得ることができた。
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