研究課題/領域番号 |
20K06397
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森山 光章 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20275283)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 神経炎症 / グリア細胞 / ミクログリア / アストロサイト / 神経化学 / 短鎖脂肪酸 / 中鎖脂肪酸 / 中枢炎症 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患の病因をグリア細胞による神経炎症と捉え、その病態変化を短鎖および中鎖脂肪酸が予防・改善しうるか明らかにする。In vitro神経炎症モデルとして (1) LPS 誘発性モデルと (2) 細胞外高アンモニアモデルを設定し、培養ミクログリアおよびアストロサイトに対する短鎖及び中鎖脂肪酸の効果を検討する。さらにin vivo神経炎症モデルとして (3) 脳室内LPS投与モデルラットと (4) チオアセトアミド誘発肝性脳症モデルラットを作成し、食餌により血中短鎖・中鎖脂肪酸濃度を増加させることが病態の予防・改善に繋がるか否かを検証する。
|
研究成果の概要 |
神経炎症とは種々の神経変性疾患に共通してみられるグリア細胞の活性化・炎症状態である。我々は腸内細菌由来の短鎖脂肪酸や食物由来の中鎖脂肪酸に着目し、神経炎症への関与を検討した。短鎖および中鎖脂肪酸はミクログリアの炎症性変化に対して抑制的に働くのに対し、アストロサイトにおいては酢酸のみ抑制的に働き、その他の脂肪酸は炎症反応を逆に増悪させることを明らかにした。得られた結果は神経炎症制御に対する食を介した短鎖および中鎖脂肪酸の新たな可能性を示唆している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経炎症反応が進むことにより神経変性疾患の病態が増悪・進行することから、これを抑える方法の開発は喫緊の課題である。本課題では短鎖および中鎖脂肪酸が中枢グリア細胞の炎症反応を抑制し神経炎症を軽減可能なことを明らかにした。短鎖および中鎖脂肪酸は食を介して摂取可能であり、既存の治療薬と比較して副作用も少ないと考えられる。神経変性疾患の治療に対する短鎖および中鎖脂肪酸の新たな可能性を提示した。
|