研究課題/領域番号 |
20K06409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
椎名 貴彦 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90362178)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食道 / 横紋筋 / 蠕動運動 / 温度 / pH / 伸展 / 迷走神経 / 蠕動 / 平滑筋 / 消化管運動 |
研究開始時の研究の概要 |
ほ乳動物の食道横紋筋は骨格筋の一種とみなされている。骨格筋の収縮する(縮む)仕組みはよく知られているものの、弛緩する(ゆるむ)仕組みはあまり注目されていない。一方、平滑筋で構成される消化管(胃や小腸、大腸)と同じように蠕動運動(摂取した食物を運搬する運動)をするためには、筋の収縮を制御する機構に加えて、弛緩(収縮の抑制)を調節する仕組みが重要な役割を果たしていると予想される。そこで、本研究では、食道内腔の食物に由来する物理的あるいは化学的因子によって食道横紋筋がいかに運動を調節されるかを明らかにして、蠕動運動の基盤となる食道横紋筋の調節機構を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、蠕動運動の基盤となる食道横紋筋の弛緩(収縮の抑制)あるいは収縮反応に対する調節機構を解明することである。食物由来の物理的化学的因子として、温度、浸透圧、pH、伸展(食物の量)などが食道横紋筋運動の制御機構に影響するかどうかを検討した。その結果、食道横紋筋の反応が物理的化学的因子の変化に応じて増強または抑制することを明らかにした。また、食道壁への伸展刺激を起点とした、迷走神経-中枢神経系による食道蠕動運動の制御機構の一端を解明した。得られた成果は、食道横紋筋運動における中枢性および末梢性制御機構を解明する上で重要な知見といえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ほ乳類の食道筋層は、口に近い部分が横紋筋で胃に近い部分が平滑筋で構成されているか、もしくは全長に渡って横紋筋で構成されている。これは、小腸や大腸とは異なった、食道に独特の特徴である。食道横紋筋の機能を解明することで、食道梗塞や巨大食道症といった食道特有の運動疾患の解決に向けて有効な情報を得られると考えられる。本研究をさらに発展させることで、例えば、食物の温度を適度に調節する、あるいは温度感覚に影響する食物成分を活用することで適切な嚥下運動を実現することが可能となるかもしれない。すなわち、薬物や手術などによらない新たな嚥下障害の治療法の開発に結びつくことが十分に期待できるといえる。
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