研究課題/領域番号 |
20K06415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
井澤 武史 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20580369)
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研究分担者 |
竹中 重雄 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (10280067)
桑村 充 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20244668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性肝疾患 / 肝鉄過剰 / 肝毒性 / 脂肪性肝疾患 / 細胞死 / 脂肪肝 / 炎症 / マクロファージ / 鉄過剰 / 薬物性肝障害 / 細胞保護機構 / 薬剤性肝障害 / 細胞保護作用 |
研究開始時の研究の概要 |
従来,肝鉄過剰は肝疾患の増悪因子と考えられてきたが,申請者らは鉄過剰による肝保護作用が存在する可能性を示してきた.本研究では,標的部位の異なる複数の肝疾患モデル動物を作製し,その病態をモデル間で比較解析することで,鉄過剰による肝保護機構の解明に取り組む.特に,細胞死に中心的な役割を果たすミトコンドリアの機能異常,ストレス応答や解毒代謝経路を調節するNrf-2の役割に注目して,解析を行う.
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研究成果の概要 |
我々の先行研究により肝鉄過剰が肝疾患を増悪と軽減の両方向に修飾することを明らかにしてきたが,そのメカニズムには不明点が多い。本研究では,食餌性鉄過剰によってアリルアルコール誘発急性肝障害が著しく増悪し,その増悪にはフェロトーシス(鉄依存性細胞死)の亢進が寄与する可能性を明らかにした。また,食餌性鉄過剰はアポトーシスの抑制を介して四塩化炭素誘発肝障害を抑制する可能性を示した。さらに,食餌性鉄過剰は脂質異常症を伴う脂肪性肝炎を増悪し,炎症の増悪には鉄蓄積マクロファージによるNFκB経路の活性化を伴う炎症促進が関わることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性肝疾患における肝鉄過剰の役割には未だ不明点が多い。本研究成果により,鉄過剰肝では化学物質に対する肝毒性の感受性が変質している可能性が示されたことから,慢性肝疾患患者の治療薬の選択時に肝鉄過剰の有無を考慮することで,より安全で効果的な治療法の選択につながることが期待される。また,肝鉄過剰を併発した非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者では脂質異常症や肝炎が増悪する可能性があることから,鉄代謝障害とマクロファージの活性化を標的としたNAFLDの新たな治療法の考案が期待される。
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