研究課題/領域番号 |
20K06441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
白戸 憲也 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (40415477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | MERS-CoV / Africa / Ethiopia / Neutralization / Virus replication / ヒトコブラクダ / エチオピア / スパイクタンパク質 / Spike protein |
研究開始時の研究の概要 |
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の宿主はヒトコブラクダであり、中東、アフリカにおいてほぼ100%のヒトコブラクダがMERS-CoVに対する抗体を保有しているが、アフリカにおけるヒトのMERS発症例の報告は1件もない。申請者らは先の研究で、エチオピアMERS-CoVのスパイク(S)タンパク質を持つウイルスは、中東分離株と比較して低いウイルス複製能、高い被中和性を示すことを明らかにし、ヒトでの発症例がない原因である可能性を示唆した。そこで本研究では、これらMERS-CoV株間にみられる差異に関するウイルスの分子基盤を解明する。
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研究成果の概要 |
アフリカでは、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)が存在するにもかかわらず、ヒト中東呼吸器症候群(MERS)の症例は報告されていない。これまでの研究で、エチオピア分離株のSタンパク質を持つ組換えMERS-CoVは、中東分離株のSタンパク質を持つMERS-CoVに比べて、複製速度が遅く、中和されやすいことが示されている。本研究では、エチオピアと中東のMERS-CoVのウイルス特性の違いに関連するSタンパク質のアミノ酸の特定を試みた。その結果、受容体結合ドメインにおける1つのアミノ酸の違いが、中和プロファイルを逆転させるのに十分であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)のVOCの変遷と同様に、わずかな遺伝子の変異でMERS-CoVの優勢な集団が変化する可能性があることを示唆している。変異によって生じた強毒性MERS-CoVの拡散を検出するためには、分離株の遺伝子を注意深く監視することが重要ということを示した。
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