研究課題/領域番号 |
20K06492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
中沢 宜彦 高知工科大学, 環境理工学群, 助教(PD) (70514751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 染色体再編成 / 部分異数性 / 分裂酵母 / 細胞分裂 / RNA介在型染色体合着 / コードRNA |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノムDNAの保持と発現を担う染色体は、細胞分裂の際に染色体どうしの接着や解離を繰り返すことで子孫に受け継がれる。これまで、タンパク質に翻訳されない非コードRNAが、相同な染色体間をつなぎ留める(合着する)ことが示されている。しかし、この合着が普遍性の高いコードRNAを介し、相同でない配列間で起こるかどうかは不明である。本研究は、染色体再編成を誘導できる分裂酵母をモデルとし、染色体に結合したコードRNAがDNA配列に関係なく染色体間を合着させることを明らかにする。本研究成果は、進化の起点となるゲノム再編を再現し、染色体数や遺伝子の並びを自由自在にデザインする新しい育種法の開発基盤となる。
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研究成果の概要 |
染色体が細胞分裂を経て子孫の細胞に受け継がれるときには、相同な染色体間の接着(合着)とその分離のサイクルが繰り返される。これまで相同な染色体間の合着は、タンパク質に翻訳されない非コードRNAにより促されることが示されていた。本研究では、分裂酵母細胞をモデル系とし、より普遍的なコードRNAを介して起こる新しい染色体合着の検出を目指した。研究成果として、上記合着を効率的に検出するための染色体再編法を2種類開発した(1.転座誘導法、2.部分異数性誘導法)。研究期間内にコードRNA介在型染色体合着の同定には至らなかったが、新規合着の検出を多角的に試みる有効な実験系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は、染色体の部分重複(部分異数性)を系統的に誘導する手法を分裂酵母で初めて開発したことにある。染色体の部分重複は、当該領域に含まれる遺伝子コピー数を増加させる。遺伝子産物の不均衡が細胞に負荷を与え、種々の疾患と関連することも示唆されている。一方、この部分重複が世代を越えて受け継がれ、生物進化に寄与することも推測される。染色体生物学の優れたモデル生物である分裂酵母において、染色体部分異数性を系統的に誘導する手法が開発されたことは、病気や進化の基本原理を知る上での大きな技術的進展である。また本法を他生物種に応用することで、新しい育種法の開発も期待される。
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