研究課題/領域番号 |
20K06502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
河合 寿子 (久保田寿子) 山形大学, 理学部, 准教授 (10599228)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光合成 / 光化学系 / 鉄欠乏 / 集光アンテナ / チラコイド膜 / 原子間力顕微鏡 / 光化学系I / シアノバクテリア |
研究開始時の研究の概要 |
鉄は地殻に多く含まれる元素であるが、その殆どは生物が利用できない酸化状態で存在している。このような環境に於いてシアノバクテリアではIdiA(Iron deficiency induced protein A)やisiA(iron stress induced protein A)と呼ばれる蛋白質が合成される。IdiAは光化学系II(PSII)に結合し、酸化ストレスから保護する、またIsiAは光化学系I(PSI)に結合し集光を補助するとされている。私は窒素固定シアノバクテリアを用いて、IdiAとPSII、またIsiAとPSI四量体の構造解析を行い、その機能の分子基盤を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
シアノバクテリアの光化学系I(PSI)は、通常、分子内に含まれるクロロフィルを利用して集光反応を行うが、細胞が鉄欠乏状態にさらされると、鉄ストレス誘導性クロロフィル結合タンパク質であるIsiA(iron stress induced gene A)を合成して集光を助ける。本研究では、原子間力顕微鏡法(AFM)を用いてAnabaenaのPSI周囲にIsiAがどのように配置されるかを可視化し、巨大なアンテナネットワークによる集光メカニズムの解明を試みた。これまでにPsaC-EからなるPSI表在性タンパク質が明瞭に観察され、PSI四量体がどのようにチラコイド膜上に配置されているかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、日本を含めた120以上の国や地域が「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする)」という目標を掲げている。このような国際的潮流が加速している中、人工光合成による効率的な太陽光エネルギーの利用が求められている。 本研究ので得られた、巨大なPSI複合体をもつAnabaenaが効率よく光を集めるためにどのようにPSI四量体をチラコイド膜上に配置しているかという基礎科学的な情報は、人工光合成における光捕集効率の向上に貢献できると考えられる。
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