研究課題/領域番号 |
20K06512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
西野 達哉 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (50533155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 構造生物学 / 生化学 / X線結晶構造解析 / 蛋白質DNA複合体 / DNA組換え修復 / 染色体分配 / DNA修復 / タンパク質-DNA複合体 / タンパク質DNA複合体 / x線結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
CENP-SXは酵母からヒトに至るまで進化的に保存されているタンパク質複合体で、染色体分配や遺伝子相同組換えに関与しており、その異常はがんや遺伝病につながります。しかしCENP-SXが細胞内でどのように働いているかは明確ではありません。本研究ではCENP-SXと相互作用するFANCMやCENP-TWがどのようにして染色体分配や遺伝子相同組換えで働くかを生化学と構造生物学によって明らかにします。DNAとの複合体形成がどのように行われているかを調べることで、がんや遺伝病の機構解明につながることを期待しています。
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研究成果の概要 |
CENP-SX複合体は真核生物の染色体分配とDNA修復に関与する。FANC-Mは全長2000アミノ酸を超える巨大タンパク質で、ヘリカーゼ、CENP-SX結合ドメイン、FAAP24結合ドメインを有するが、DNAの認識機構は不明である。本研究では各ドメインを発現精製し、生化学的、構造生物学的に解析した。蛋白質複合体の大量調整に成功し、DNA結合能を解析した結果、DNA長に応じて特異的な複合体を形成することが明らかになった。また、蛋白質DNA複合体の結晶化を行い、高分解能の結晶を得ることに成功した。今後この結晶の構造解析により、DNA結合モードの詳細が明らかになると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FANCM-MHF複合体は、DNA修復に関与するタンパク質です。遺伝情報を保持するDNAは、熱や紫外線、化学物質など様々な要因から損傷を受けることがあります。その中でもDNA鎖間架橋は有害で、DNAの2本の鎖が分離せず、複製や転写が中断されるため、ゲノムが不安定化し、生体機能に異常が生じます。この研究では、DNA鎖間架橋を修復する働きを持つFANCM-MHF複合体が、特定の条件下では解離することがわかりました。この発見は、これまで見過ごされていた複合体の性質や生体内での重要な現象を示唆しており、今後、DNA複合体との結合をさらに解析することで、より詳細な機構が明らかになると予想されます。
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