研究課題/領域番号 |
20K06531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
児島 将康 久留米大学, 付置研究所, 教授 (20202062)
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研究分担者 |
椎村 祐樹 久留米大学, 付置研究所, 助教 (40551297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グレリン / GPCR / グレリン受容体 / 立体構造 / 結晶構造解析 / アナモレリン / がん悪液質 / クライオ電子顕微鏡 / ギャップ構造 / 脂肪酸 / オクタン酸 / X線結晶構造解析 / フェニルアラニン・クラスター / ペプチドホルモン / 構造解析 / 脂肪酸修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
グレリンは脂肪酸の修飾基がないと活性を示さないという特徴的な構造をしており、なぜ脂肪酸部分がグレリン受容体の活性化に必要なのかは不明であった。申請者らはこの疑問に答えるためにグレリン受容体の結晶構造解析を進め、まず不活性型の構造を解明した。その結果、TM6とTM7間のギャップ構造部分の疎水性アミノ酸と、グレリンの脂肪酸部分の相互作用によって、TM6が活性型の位置に動き、それによって受容体が活性型に転換することが示唆された。今回の研究でグレリンとグレリン受容体が結合した3D構造が解明されれば、グレリン受容体の活性化機構が明らかになり、GPCRの活性化機構に新しい知見をもたらすと期待される。
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研究成果の概要 |
われわれが立体構造解析に成功した拮抗薬を結合させたグレリン受容体は、TM6束とTM7束の間に広い隙間(クレバス)を持ち、この隙間にはフェニルアラニン残基を含む疎水性アミノ酸が豊富に含まれていることがわかった。したがって、このギャップ構造とグレリンのアシル酸部位との相互作用が、グレリン受容体を活性型に変換することに関与していると考えられた。しかし、グレリン受容体の活性化機構を解明するためには、アシル修飾グレリンと結合した活性型グレリン受容体の構造解析によるさらなる詳細が必要である。その後、われわれはがん悪液質治療薬のアナモレリンが結合したグレリン受容体の構造解析に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グレリンは、末梢投与により食欲増進を誘導する唯一のペプチドホルモンであり、さらに、成長ホルモン分泌促進、脂質代謝、エネルギー恒常性の維持、記憶形成、海馬の神経新生など幅広い生理作用を有しており、様々な疾患の治療薬への応用が期待されている。実際に現在では、グレリン様化合物のアナモレリンががん悪液質の治療薬として臨床の現場で使われている。今回の研究期間中に、アンタゴニストおよびアゴニスト(アナモレリン)が結合したグレリン受容体の立体構造解明に成功し、その結果は今後さらに高い生理活性をもつ化合物の合成デザインに有益な情報をもたらすと考えられる。
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