研究課題/領域番号 |
20K06562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
若菜 裕一 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (90635187)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タンパク質分泌 / ゴルジ体 / 小胞体 / コレステロール / オルガネラコンタクト / メンブレントラフィック / トランスゴルジネットワーク / オルガネラ膜接触 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞は、分化・増殖に伴う代謝要求に応じて、どのように細胞内のタンパク質・脂質の輸送をコントロールするのか?私たちは最近、小胞体膜のコレステロールセンサータンパク質であるSCAPが、小胞体とゴルジ体の膜接触場(脂質輸送に働く)を介し、ゴルジ体からの輸送小胞形成とタンパク質分泌を促進することを見出した。本研究は、その分子メカニズムの詳細を解明することを目的とするものであり、その成果として、細胞内物流を司るシグナル分子としてのコレステロールの新たな一面が明らかになることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、細胞がタンパク質分泌を制御する分子機構の解明である。私たちは、インフルエンザウイルス・ヘマグルチニン(HA)の同調輸送実験系を構築し、ゴルジ体から細胞膜へのHA輸送を仲介する輸送小胞の形成を可視化することに成功した。HA輸送小胞の形成には、小胞体とゴルジ体の膜接触部位で行われるコレステロール輸送が必要であり、小胞体膜のコレステロールセンサーであるSCAPは、コレステロール輸送を促進してHA輸送小胞の形成を誘導している可能性が示唆された。本研究からはまた、ゴルジ体膜の切断に働くと考えられていたプロテインキナーゼDが、輸送小胞に特定の積み荷を搭載する役割を担う可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞は、インスリンや神経伝達物質、成長因子、コラーゲンなど様々なタンパク質を分泌している。タンパク質分泌は、細胞分化・増殖に重要な役割を果たしているが、その制御機構はこれまでほとんど明らかになっていない。私たちの実験結果は、膜接触部位を介した小胞体からゴルジ体へのコレステロールの輸送が、特定タンパク質のゴルジ体から細胞膜への輸送を促進していることを示唆しており、ゴルジ体の機能制御におけるコレステロールの重要性を示すものである。本研究の成果は、コレステロール代謝異常と関連した様々な疾患の発症・重症化の分子メカニズムの解明につながるものと期待される。
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