研究課題/領域番号 |
20K06625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
西村 珠子 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40415261)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | I-BARタンパク質 / 細胞間接着 / BARタンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞は、細胞膜上の接着分子を介して細胞間接着を形成する。しかしながら、接着形成時に細胞膜の形状を制御する機序については明らかでない。 BARファミリータンパク質は、脂質膜に結合して多量体を形成し、膜の形態を制御する。 本研究では、細胞膜の突出構造形成に関与するinverse BAR (I-BAR)タンパク質が、細胞間接着の形成・維持を制御する分子メカニズムを明らかにする。I-BARタンパク質と膜、接着分子、F-アクチンの接着部位での挙動や分布を可視化することにより、細胞間接着形成における細胞膜の形態制御の重要性を調べる。
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研究成果の概要 |
上皮細胞間の細胞間接着形成における細胞膜の役割については、不明な点が多い。我々は、突出膜の形成を制御するI-BARタンパク質の、細胞間接着形成における役割を調べた。その結果、I-BARタンパク質は、上皮細胞の突出膜構造に加え、細胞間接着に分布した。I-BARタンパク質をノックアウトすると、密着結合における直線性の低下と、アクチン繊維の減少が認められた。さらに、I-BARタンパク質のノックアウトにより、上皮バリア機能の低下が認められた。従って、I-BARタンパク質は、細胞間接着の形成および維持に重要な役割を有する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまで不明であった細胞間接着の形成における細胞膜の形態制御の重要性が明らかとなった。細胞間接着は、生物の形態形成時に重要であり、I-BARタンパク質のノックアウトマウスは胎生致死を示すとの報告があることから、形態形成における細胞間接着の制御にI-BARタンパク質が関与する可能性が示唆された。また、細胞間接着の形成不全は、がんの浸潤・転移と関連していることから、I-BARタンパク質の機能不全ががんの悪性化に関与する可能性が示唆された。
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