研究課題/領域番号 |
20K06640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (00187692)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 細胞内共生 / クロレラ / ミドリゾウリムシ / 細胞間相互作用 / シンビオソーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題における学術的「問い」は、細胞内共生を可能とする分子的仕組みは何か?という問題である。これまでの研究から、共生藻を失った変異株の表層から、p120タンパク質が欠失していることがわかっている。褐虫藻と刺胞動物との共生系や、マラリア原虫などの病原性微生物と哺乳動物細胞との感染系などにおいても、共生能を失った変異体の作出が試みられている。従って、将来本研究の成果との比較が可能となれば、細胞内共生系の基本原理が解明されることが期待できる。このことは、ミトコンドリアや葉緑体を獲得して進化してきた真核生物の成立機構を説明することにも繋がる可能性がある。
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研究成果の概要 |
ミドリゾウリムシの共生藻NC64A株から重イオンビーム照射により、ホストへの共生能とクロレラ表層に存在するp120タンパク質を欠く突然変異体(NC64A-#48)が作出されている。p120をコードする遺伝子の配列解析を行った結果、ゲノム配列には変異は見られなかった。しかし、mRNA配列ではスプライシング異常が生じていることがわかった。NC64A株は、ミドリゾウリムシ以外にも、アメーバやラッパムシ、さらに多細胞のミドリヒドラにも共生する。これらの生物に対してもNC64A-#48株は再共生できないことがわかり、p120の機能が宿主の種を超えて一般的であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミドリゾウリムシとクロレラとの共生関係については、これまでにミドリゾウリムシの側から調べた研究が多く報告されているが、共生成立の分子機構に関する手掛かりは何も得られていなかった。そこで本研究では、研究の視点を変えて、クロレラ側からのアプローチによって、細胞内共生の分子機構を解明しようと試みた。その結果、クロレラが細胞壁上に提示しているp120タンパク質が共生包膜とクロレラとの細胞間接着を介した細胞内共生の成立と維持に不可欠であることがわかった。今回の研究結果は、さまざまな共生系に共通する分子機構の解明に繋がる可能性を示すものとして意義がある。
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