研究課題/領域番号 |
20K06662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
渡邉 寛 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, 准教授 (80356261)
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研究分担者 |
早川 英介 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, グループリーダー (20739809)
稲葉 一男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80221779)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | クシクラゲ / 神経細胞 / 神経ペプチド / 進化 / 起源 / 神経細胞の獲得 / ペプチド / ペプチド作動性神経 / 神経ペプチド発現 / 神経ペプチド発現細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
動物の進化における大きなイベントの一つである神経細胞の獲得について、進化の初期にどのようなプロセスで獲得されたのかは未だ不明である。申請者らは独自の手法による高感度ニューロペプチドミクスを進めてきた結果、最も初期に分岐した動物系統などから神経特異的に発現するペプチドを多数同定し、ペプチド作動性神経が予想外の古い進化的起源を有することを見出した。本計画では、高感度ニューロペプチドミクスを原始的な動物系統に横断的に展開すると同時に、in silico 及び実験的検証から、神経ペプチド発現細胞の細胞生理学的・遺伝学的な特性の相同性を検証し、神経細胞の初期進化過程を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
神経細胞の獲得は動物の進化における大きなイベントの一つであるが,祖先的神経細胞がどのような性質を備えていたのかについては未だに不明である. 申請者は,クシクラゲの一種カブトクラゲを材料に最先端の質量分析技術を用いた網羅的ペプチドミクスを行った. 現在までに,多くの神経ペプチドの同定に成功し,免疫染色によりそれらが発現する神経細胞を同定した. また単一細胞トランスクリプトームデータを用いた発現解析から,クシクラゲと刺胞動物/左右相称動物のペプチド発現神経細胞が類似の遺伝子シグネチャーを有することを見出した.今回の知見は,動物の進化においてペプチド性神経細胞が最初に登場した可能性を強く示唆する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のクシクラゲゲノムの解読は,最も原始的な系統の一つであるこの動物系統が,多くの神経関連遺伝子を欠いていることを示し,このことからクシクラゲ類の神経細胞が独立に進化したとする仮説が提唱されるなど,注目度の高いトピックである.しかし,このテーマに関する国内外の研究のほとんどがゲノム情報に基づく遺伝子の保存性の議論に終始しているのに対して,申請者らは独自のアプローチで神経ペプチドを多数見出し,さらにクシクラゲと刺胞動物/左右相称動物の神経系の相同性を示した.以上の知見は,最も祖先的な神経細胞の進化的起源を理解する上で極めて重要な情報を提供しており,世界的にも非常にインパクトのある研究である.
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