研究課題/領域番号 |
20K06663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
木下 典行 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 准教授 (30300940)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 密着結合 / ZO-1 / 力学刺激 / タンパク質リン酸化 / プロテインキナーゼ / タイトジャンクション / アフリカツメガエル / 初期発生 / 力学応答 / プロテイン・キナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
動物の胚発生の過程では、組織の運動によって物理的な力が生まれている。私たちはアフリカツメガエル胚に力学刺激を与えることで、様々なタンパク質のリン酸化状態が変化し、細胞接着や細胞骨格が大きく変化することを見出した。本研究は、そのような変化を引き起こすメカニズムについて、プロテイン・キナーゼを中心に、その活性制御機構、下流の基質タンパク質などの解析を通して力学応答のシグナル伝達機構を明らかにし、発生におけるその意義・役割を解明する。
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研究実績の概要 |
アフリカツメガエル原腸胚の外胚葉にストレッチ刺激を与えるとタンパク質リン酸化に大きな変化が現れることを、質量分析によるリン酸化プロテオミクス解析により見出した。その中でもタイトジャンクションの構成タンパク質のリン酸化が大きく変化していた。本研究では、機械刺激によってリン酸化状態が変化するタンパク質として、タイトジャンクション構成タンパク質の一つであるZO-1タンパク質に注目した。ZO-1タンパク質は、刺激によりリン酸化されるとともに、細胞内局在も変化する。すなわち、刺激前は細胞質で顆粒状に存在し、刺激によりタイトジャンクションへと移行することがわかった。興味深いことに、ZO-1の細胞質顆粒は、液液相分離(LLPS)によって形成されることも確認された。ZO-1の細胞質顆粒は、アフリカツメガエル胚だけでなく、マウス胚や培養細胞系でも力学刺激依存的なLLPSが観察された。 現在、近位依存的ビオチン化のシステムを用いて、細胞質顆粒内でZO-1と共局在するタンパク質の同定を開始している。ビオチン化酵素遺伝子をZO-1遺伝子と融合し、細胞質顆粒とタイトジャンクションに局在させた時にビオチン化されるタンパク質を質量分析により同定し、細胞内局在による違いを解析する手法である。予備的な結果であるが、候補タンパク質には複数のプロテインキナーゼタンパク質が含まれており、今後確認実験を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、機械刺激によってリン酸化状態が変化するタンパク質ZO-1タンパク質に注目して研究を行い、ZO-1タンパク質は、刺激によりリン酸化されるとともに、細胞内局在も変化することを発見した。興味深いことに、ZO-1は液液相分離(LLPS)によって細胞質顆粒を形成することがわかった。これらの結果はiScienceの論文として報告した。さらに、この細胞質顆粒にはプロテインキナーゼが含まれていることを示唆する結果を得ており、今後の研究に展開する基盤ができた。
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今後の研究の推進方策 |
近位依存的ビオチン化システムによってZO-1と共局在することが示唆されたプロテインキナーゼについて培養細胞を用いてvalidation実験を行う。また、プロテインキナーゼの阻害剤や遺伝子ノックダウンなどの手法により、ZO-1のLLPSや力学応答への影響を調べて、プロテインキナーゼの機能を明らかにする。またマウス胚を用いて、これらのプロテインキナーゼの細胞内局在や、力学刺激応答における役割を追究する。
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