研究課題/領域番号 |
20K06715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 学 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60301785)
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研究分担者 |
吉田 薫 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (70398973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 受精 / 精子 / 鞭毛運動 / 精子運動 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
精子の運動調節の過程には共通してCa2+シグナル系が重要であり、精子内のCa2+濃度が鞭毛運動を制御している。しかし、哺乳類精子で唯一存在するCa2+チャネルであるCatSperは脊椎動物内においても保存されておらず、その近縁な動物内においてさえ分子機構は保存されていない。本研究では、精子走化性をはじめとしたこの精子運動調節機構に着目し、Ca2+シグナル系を比較解析して共通性と多様性を理解し、最終的には多様性・種特異性を含めた受精時における精子運動調節の分子機構の全容解明を目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、脊索動物精子の運動を制御するCa2+シグナル系の解析を行った。 まず、ホヤの細胞膜型Ca2+-ATPase (PMCA)は、精巣特異的なスプライスバリアントが存在した 。精子誘引物質はPMCAの種特異的な細胞外配列を認識し、細胞内の精巣特異的配列が精子の活性化と走化性に関与していると思われる 。 また、RNAseq解析によりクサフグの遺伝子発現プロファイルの解析を行った。 結果、62個のCa2+シグナル系遺伝子が精子形成期後期に発現上昇することがわかった。これには多くのグルタミン酸受容体、電位依存性Ca2+チャネル、PMCA、Na+-K+/Ca2+交換体などが含まれていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精子運動調節の分子機構は哺乳類を中心に解析がすすめられ、精子特異的Ca2+チャネルCatsperが唯一のCa2+チャネルとして働くことが知られている。しかしCatSperは脊椎動物でも無顎類、真骨魚類、両生類、鳥類で欠失している。本研究は真骨魚類をもちいた初めての精子運動調節におけるCa2+シグナル系の解析であり、精子運動調節の普遍性と進化の理解に大きく寄与すると自負する。また、将来的な男性不妊治療や繁殖技術の改良にむけたシーズとなることが期待される。
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