研究課題
基盤研究(C)
本研究では、①ウロコの再生過程におけるメラトニン合成及びカルシトニンの発現を調べて、ウロコの再生過程におけるホルモンの発現及び骨芽細胞と破骨細胞の相互作用を解析する。②カルシトニンを機能阻害をして、ウロコの再生に及ぼす影響を解析する。機能阻害の影響が、カルシトニン添加によりレスキューされるかについても調べる。③哺乳類の細胞を用いて、メラトニンによるカルシトニンの発現調節を調べる。ラットの骨芽細胞でカルシトニンの発現を免疫染色により確認しており、哺乳類で検証して、メラトニンの骨代謝制御の確証を目指す。
魚類のウロコは、骨を作る細胞(骨芽細胞)と骨を壊す細胞(破骨細胞)が共存する骨様の組織である。体表に細胞が存在する為、ホールマウントでの形態学的な解析が容易である。これらの特徴に注目し、申請者はウロコを骨モデルとしたアッセイ系を開発して、様々なホルモンの作用を調べてきた。本研究では、ウロコで発現しているホルモンに注目して、ウロコの再生過程における骨芽細胞で作られるホルモン(メラトニン及びカルシトニン)の発現を調べた。次に、ウロコにホルモン処理を行い、骨芽細胞に対する作用を解析した。さらに哺乳類の細胞を用いて、魚類のウロコと同様なホルモン処理を行い、魚類で得られた結果の再現性を調べた。
これまで、メラトニン及びカルシトニンは特定の内分泌腺から分泌され、分泌されたホルモンが骨に作用していると考えられていた。本研究により、魚類のウロコのみならず哺乳類の細胞(ラットの頭蓋骨及びヒトの骨芽細胞)においても、骨芽細胞で作られて、局所的に作用していることを見出すことができた。魚類のウロコを骨モデルとして用いて、哺乳類の骨芽細胞においても同様な作用を見出すことができたので、その意義は大きい。
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