研究課題/領域番号 |
20K06740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
宇田 幸司 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (10448392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | D-アミノ酸 / d-アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸にはL体とD体の2種類の鏡像異性体が存在するが,タンパク質の合成材料となるのはL体のアミノ酸のみである。そのため,生体内では遊離アミノ酸としてL-アミノ酸のみが存在し,D-アミノ酸はごく限られた生物にしか存在しないと長い間考えられてきた。しかしながら,近年の研究によって,哺乳類にも多数のD-アミノ酸が存在し,心不全や,ホルモンの分泌調節に関与することが明らかとなってきた。しかし,その合成酵素の全ては特定されていない。本研究では,「哺乳類D-アミノ酸がどのように合成されるのか?」を明らかにするため,哺乳類からD-アミノ酸の合成にかかわる酵素遺伝子の特定と機能解析を進める。
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研究成果の概要 |
近年,多くの動物からD-アミノ酸が発見され,その生理機能が明らかとなってきている。本研究では,D-アミノ酸の合成酵素であるアミノ酸ラセマーゼ遺伝子が脊椎動物,特に哺乳類においてどのように分布するかを明らかにした。幾つかの系統を除いて,魚類,両生類,爬虫類に広くアミノ酸ラセマーゼが分布しており,哺乳類では全ての系統においてセリンラセマーゼが存在が存在していた。これらの発見により,D-アミノ酸が脊椎動物においても普遍的に合成され,共通する生理機能を持つ可能性が指摘された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,D-アミノ酸が無脊椎動物に限らず脊椎動物にも広く存在し,普遍的にD-アミノ酸が合成されており,共通する生理機能をもつ可能性を示した。本研究で,多くの動物からアミノ酸ラセマーゼ遺伝子が特定されたことにより,その発現量や,発現時期,酵素機能などの解析,また遺伝子のノックアウトなどによりアミノ酸ラセマーゼ及びD-アミノ酸の生理機能研究が進展することが期待される。また,D-アミノ酸は様々な疾患に関与することも指摘されており,本研究の成果は医療および薬学分野において新たな治療法の開発に寄与する可能性がある。
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